映画『黄泉がえり』と雨

久し振りの『黄泉がえり』でありえんぐらい泣いた(頭痛が酷い)。田中邦衛の仕草がいちいち可愛らしくて泣き、あんなに年が離れてるのに山本圭壱が弟にしか見えない東新良和(ジャニーズJr)&山本圭壱極楽とんぼ)兄弟のやりとりに泣き、竹内結子の笑顔を見るたび「結子ちゃん、還ってきてもいいんだよ」と思いながらまた泣く。それぞれの別れのシーンが近づくにつれ嗚咽が止まらん。映画のラスト、黄泉がえった人が元の世界に戻った後で草なぎくんが関係者のその後を訪ね歩くんだけど、想い人を再び亡くしつつも過ごした時間を糧に力強く前を向いて生きてる少女として紹介されたのが、まだ初々しい長澤まさみなんだよ。そのシーン、すっかり忘れてたから「ああ、まさみちゃん…」て思いながらまた号泣。映画館で観たかったけど家でよかった(マスクしてたら鼻水でどろどろよ)。来年のお盆にはBSでも放送しないかなあ。ねえ、TBSさん!


柴咲コウも出てるが、クレジットの名義は「RUI」のまま。当時、映画に出てくる歌手RUIが柴咲コウだってのは伏せられてたためで、監督&プロデューサーは芝居と歌の両方ができる子を探してて、彼女がドラマ「レッツ・ゴー!永田町」のカラオケシーンで歌が上手いと評判になってたのを知って「いるじゃん!ここに!」て即決した、と語ってたように記憶する。当たり前なんだけど主題歌「月の雫」の歌詞がどんぴしゃ過ぎてまた泣く。



ちなみにこの映画、塩田明彦監督が撮ってるんだけど、塩田監督ってものすごい雨男なんですよ。『黄泉がえり』でも酷い目にあっているので、昔書いたトークショーネタを再掲。

塩田監督がどれほど凄い雨男なのかというと、『黄泉がえり』の撮影時、まったく違う方向へと進んでた台風を撮影中の九十九里浜に向けて直角に曲がらせたほどらしい*1。阿蘇での撮影も全くのピーカン天気が「よーし、本番!」の合図と共にサーッと雲が出て雨で中断。しばらく待って雨もおさまり、再び撮影を始めようとしたら、また雨。それを同じ日に3度繰り返した時はさすがに自覚したらしい。塩田監督の雨男ぶりは有名なのか、同時期に同じ山梨で『アンテナ』の撮影をしてた熊切和嘉組も*2、ロケ中に雨が降ると「また塩田組が撮影始めたよ」と言ってたらしい(笑)。晴れ男を自称する黒沢清監督も、『大いなる幻影』を2週間で撮ってた時、天気に恵まれ続けたにもかかわらず運悪く最後の1日だけ雨に降られ、近くで塩田監督が撮り直しをしてたらしいということを後で聞かされた、というエピソードを披露していた。
※1:撮影中、携帯の天気予報サイトを見て、さすがの本人もビビッたらしい
※2:山梨ではその当時、スーパーやらコンビニに「『黄泉がえり』エキストラ募集!」のチラシが貼られまくっていたため、塩田組が山梨で撮影していることを熊切組は知ったらしい
『アンテナ』トークショー、塩田明彦×黒沢清 - 嗚呼、テレ日トシネマ-雑記-


Blu-rayって出てないのか!>いろいろ事件があったからね。