都内感染者の世代男女別内訳を見てみた(5月14日発表分まで)

この2週間陽性者数が徐々に下がり続け、5月15日(金)はついに9人、1桁台にまで下がった(速報:5月16日は14人)。この1ヶ月間、まともにデータベースをチェックしてなかったので「まだ40代男性がトップなんだろか?」と久しぶりに覗いてみたところ、トップは意外にも「20代女性」だった。しかも2位に倍以上の差をつけてたので「なにごと?」と思いちょっと調べてみることにした。いつも通りデータは↓ここから入手。


金曜から木曜までを一区切りに、1週間ごとの人数を世代性別ごとに集計して並べてみたのが以下の表。
セルの色分けは、全体に占める割合10%以上を赤・黄・緑の順で多い順に色分けし、10%未満〜5%以上を青、それ以下を白とした。
老眼で辛い人は、画像をクリックして飛んだ先で「オリジナル画像を表示」をクリックすればもうちょい大きい画像で見ることが出来ます(※最下段の院内クラスターは調べ切れてないので参考程度に。ちなみに都の自粛要請は3/25、阪神・藤浪選手の「嗅覚味覚異常」が報じられたのは3/26、緊急事態宣言は4/7です)。


5月に入って20代女性の割合が急増し、特にこの1週間(5/8〜5/14)は陽性者の2割が20代女性。感染者が急増し始めた3/20以降で、2割を超えたのは全世代の中でも初めて。5月1日に院内クラスターが複数発生したので「30代・40代女性も増えてるし、看護師さんあたりが感染数を押し上げてるのかな?」と思ったんだが、5/8以降についてはニュース記事を調べた限りクラスターが発生した病院・介護施設からの職員陽性報告は1人ぐらいしかない(年齢性別不明)。しかも、連日20代女性の割合がトップになってることについて、12日に都から「友人との会食が感染ルートになってると思しき事例が相次いでる」との報告が出ていた。


ここに来て「友人との会食」が感染経路って、それ言われるのきつい(汗)。自宅なの? 外食なの? BBQ?
「そろそろ外で美味しいものが食べたい」って人や「カフェ、レストラン再開させたい」って店主はたくさんいると思うので、そこはぼやかさずハッキリさせてくれないと対策のとりようがないです。


関連
東京都新型コロナウイルス感染症対策本部報|東京都防災ホームページ

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追記:5月15日(感染者:9人)の都知事定例会見にて、クラスター対策班メンバーである北海道大学大学院の西浦教授を呼び、現在の感染ルートについての説明がなされています。↓以下にて、動画配信中。

令和2年5月15日 東京都新型コロナウイルス感染症対策最新情報 ~小池知事から都民の皆様へ~ <アーカイブ版> | 東京動画


(10:10〜)現時点における感染経路の分析
小池都知事「先ほども、いよいよ新しい数値として感染者数が一桁になったという、ある意味皆さんのご協力のおかげだなということをつくづく思うわけですが、この推移や現状をご覧になってどのように分析されますか?」
西浦教授「感染者数はすごくよく減少してるんですね。それはとっても喜ばしいことなんですけど、いま人口の中って言うのは、感染しうる人と、感受性を持っている人で溢れている状態です。ですから『STAYHOME週間』が仮に終わったとしても、人の流れが増えてくるとどうしてもまた感染してしまうと、感染者数が増えるということになります。いまは院内感染であったり、家庭の中で起こる感染が中心なんですけど、一方で少しだけなんですけど、居酒屋であったり、あるいは夜間の接待飲食業といいますかね。そこをきっかけにした感染者が出てきていることも事実です。ですのでそれについてはとっても強い懸念を僕は抱いていますので、簡単に解除とならない可能性さえ…そこはちゃんと押さえないと危険だ、という印象は持っています」


(11:30〜)第二波に備えた対策について
西浦教授「(グラフを見ながら説明)こちらはですね、横軸を発病時刻にしてこれまで東京で感染された方の発病した数をプロットしているものです。それぞれの点線があるんですけど、この最初の点線というのが東京都で外出自粛要請をしていただいたとき。4月7日のところが、政府による外出自粛要請が出されたとき…緊急事態宣言ですね。5月31日にもしかすると東京も解除される可能性があると。というところで今までの感染者数に数理モデルを適合することによってフィットしています。で、問題はそのあとですけれども、もし今までと同じような生活にすぐ戻ってしまうと、緊急事態宣言前に増加していたのと同じ増殖率で感染者が増えてしまう可能性があるんですね(グラフ赤線:6月22日あたりから急増と予測)。一方で、クラスターが発生している危険な場所っていうのはもう皆さんわかっているわけです。院内、施設内を除いても、夜の街であったりフィットネスクラブであったり、いくつか列挙できる場所がわかっていますので、そういった場所での接触が10%ぐらい抑えられると少しだけ増える傾きが減るかと思います(グラフ緑線:7月13日あたりから急増と予測)。3割減ると、これぐらいになって(グラフ紫線:ほぼ1桁台前後で推移と予測)、半分ぐらい我慢できると再流行は起こさずに済むかもしれないという、そういうシミュレーションです。ですので、解除された後も、感染者は必ず潜んでいるだろうと考えるのが適当なのが、この感染症の特徴です。ですのでしばらくの間はリスクが特別に高い考えられるところでの接触をできる限り避ける、ということが大事だと考えています。


(13:30〜)北海道や海外で起こってる第二波の分析
西浦教授「第二波と言われるようなところ、あるいは再流行というのが起こったところで共通しているのは、クラスターが見られてるようなやはり密な場所で起こっています。あるいは発声をする…合唱の場でアメリカでは起こったりとか、これまで分かった通りの場所で起こっているんですね。で、問題なのは、この感染症の感染者はやっぱり目に見えてない部分で何人かいらっしゃるというのは確実そうで、感染者数として報告される人が減ったとしても必ずしも全体が消えてしまうのにはもう少し時間がかかるということだと思いますね。」


(14:55〜)現在の感染ルート追跡状況
西浦教授「いまの時点では、東京都内の保健所の方に聞く限りで接触を追跡することが出来ていますから、この状況を保つと言うことが大事なんですけど、そのためには、やはり屋内の接触を避けると。つまりいままで3密と呼ばれていたところを避けるっていう原則はもちろんですけど、人と人とが面会する場合は、原則として2m以上の距離を開けると。お店もやっていただきたいと思っています。個人の努力だけではなくて、お店でテーブルを置く間隔を開けるというような事業者の方もできる限りの努力を一緒にしていただければなと思っています」