「夜になると熱が上がる」のは何故だろう

新型コロナ闘病記でよく目にする「夕方ぐらいから熱が上がり、昼間下がって、また夕方から上がり始める。この状態が何日もだらだら続く」っていうのはどういう原理なんだろうと思い調べてみた。


体調不良は夜になると悪化する? 夜に発熱しやすい理由 - ログミーBiz
↑健康体の場合でも1日の体温差は0.5℃ほどある。「概日リズム(体内時計)」に合わせて微調整されるため、明け方4時が最も低く、夕方6時が最も高くなる。発熱時も同じ。加えて、白血球濃度は夜間に上昇するが、ある種の発熱物質も、夜間に同時に急上昇するという研究報告がある。ただし例外もあって、細菌性肺炎や腸チフスは日中や夜間を問わずにずっと高熱。マラリアの一種は、1日サイクルではなく2~3日サイクルで急な高熱を発症。よってだるさが続く場合は、ある程度の期間の体温を測っておけば、診断がつけやすい。


知っておきたい体温の話|活動報告書|テルモ体温研究所とは|テルモ体温研究所
↑健康体でも1日のうちに体温は変動するので、時間帯ごとの平熱を測っておくのが重要。起床時、昼食前(午前10〜12時頃)、夕方(午後4〜6時頃)、就寝前の計4回体温を測り、時間帯ごとの平熱としておぼえておくと、発熱を正しく判断できる。ただし、食後すぐは体温が上がりやすいので食前や食間に検温。また高齢者は外気温が低いと低め、高いと高めで安定してしまうことがあるので季節の違いにも注意。


体温リズムと身体活動|身体活動と体温|体温と生活リズム|テルモ体温研究所
↑高齢者は若者に比べ1日の体温の変動幅が小さく、夜間の体温があまり下がらないため、就寝(入眠)後の体温の低下が充分でなく、このことが不眠の主な原因ではないかといわれてる(※変動を比較したグラフあり)。
※ちなみに自分の場合だと、明け方の体温は未測定につき体感だけだとおそらく低い(肩周り寒いし)。しかし、頭が起床モードに入った瞬間、急激に熱が上がって36.8〜37℃までいく(笑)。暑くて寝てらんないので起き上がると、室内の空気に晒され徐々に体温が落ち、30分ぐらいで36.5℃ぐらいに落ち着く。なんも活動しないで家でひたすらテレビとパソコンで動かずだらだら暮らしてると、食事の用意や食事自体で一旦上がるがまたすぐ下がり、一番高いと言われる夕方に向けて徐々に下がって、夜9時すぎで35℃台に落ちる。ここまで低いと寝付きが悪くなるので、筋トレして36.4℃ぐらいまで上げるか、電気毛布つけて布団をぬくぬくさせておくか、風呂やシャワーで37.2℃ぐらいまで上げ湯冷めする前に就寝。なので、風呂を除けば、一日で一番体温が高いのは「起床時」です(あまり一般的ではない…汗)。室温は22~23℃だけど、19〜20℃でもあまり変わらなかった気がする。ちなみに毎回推測しながら体温を測ってるんだけど、全然実測と体感が一致しない(汗)。当たるのは37度越えた時だけ(「風呂上がりの感じ」で覚えてるから)。


生理的変動について | 血栓・止血 | FAQ | シスメックス サポートインフォメーション
↑「赤血球(酸素や二酸化炭素を運搬)」の数は午前に若干高く、午後に減少する(変動幅は5%程度)。水分摂取で薄まり、発汗で血液内の水分が減ると濃くなる。「白血球(細菌やウイルスに対抗する免疫細胞)」はその逆で、朝少なく夕方増加(変動幅は10%)。季節で見ると冬高く、夏低い。白血球の種類別で見ると、好中球(細菌や真菌を駆除)は朝低く、夕方にかけて増加した後、減少する。リンパ球(NK細胞・T細胞・抗体を作るB細胞。ウイルスを駆除)は夕方から夜にかけて増加。好酸球寄生虫および薬剤やアレルギー性疾患で増える)は昼間に低く、夜から朝にかけて増加する。白血球の食事による変化は、高蛋白食後は20~40%増加。運動後2時間以内は好中球が辺縁プール(血管の細胞膜付近)から循環血中へ移動するため増加。血小板は激しい運動の直後に増加。
※()内はWikipediaとかで調べたのでリンク先には載ってません。健康体でも夕方が一番体温が上がるのに、ウイルスに感染するとそれに対抗するリンパ球が夕方から夜にかけて増えるからより上がりやすいってことか。細菌感染だったら抗生物質でやっつけられるけど、ウイルス感染は薬があまりないのでリンパ球が打ち克つのを対処療法で待つしかない。赤血球の数は午前の方がやや高いってことは、午前より午後の方が酸素不足に陥りやすい(倦怠感が出やすい)ってことなのかな。


下がってもまた上がる繰り返す子どもの熱|医療ニュース トピックス|時事メディカル
↑子どもの発熱は、一度熱が下がっても、防御システムが未熟なため、再び細菌などの動きが活発になり熱が上がってしまう。こうして完治まで上がったり下がったりを繰り返しながら、徐々に平熱へと落ち着いていくのが特徴。
※新型コロナで熱が上がったり下がったりが何日にもわたり続くのは、子どもの発熱と同じで、未知のウイルス故に防御システムが貧弱ってことなのかもしれないね。


関連過去記事と補足追加記事

↓体温は身体が決めた設定温度に従い、上がったり下がったりするという話。「汗をかく」→設定温度より実際の体温が高すぎるので発汗で下げようとしている。「悪寒がする」「さぶいぼが立つ」→設定温度より実際の体温が低すぎるので汗腺を閉じてふるえで熱を産生しようとしている。

↓体温が37度ちょうどまで上がると、好中球の表面にある絡み合ったタンパク質がほどけてイオンチャンネルが開き、好中球の中にある水素イオンが血液中に一気に放出されて、殺菌作用のある活性酸素を作るという話。

↓ちなみにオキシドールでお馴染み「過酸化水素水(H2O2)」も、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)に水を足して作る「次亜塩素酸(HOCl)」も、元は好中球が活性酸素から作って殺菌に使用しているものだという話。
酸化ストレスが身体の中で増えるとどうなるのか? | 岐阜大学 科学研究基盤センター 共同研究講座 抗酸化研究部門


↓増えすぎた活性酸素は、細胞膜の脂質を酸化させ、更なる活性酸素を放出するという悪循環を引き起こして炎症を長引かせるため、増えすぎたら速やかに除去する必要がある。そのためにも風邪を引いたら抗酸化酵素の素となる良質なタンパク質や、抗酸化作用を助けるビタミン、ミネラルをちゃんととりましょうという話。
https://www.fujisawa-junten.or.jp/pdf/2016.05.pdf