鵺的『悪魔を汚せ[再演]』を観に行く。初演以来3年ぶりの再見となったが、相変わらずラストの対決場面がすごい。初演時は展開のおぞましさとも相まって鳥肌が止まらず涙目になりながら暗黒少女誕生の瞬間（終わりの始まり）に打ち震えたが、今回は内容をすべて知った上で、なんなら直前まで台本読んでから臨んだにもかかわらず、一瞬の静寂のあとに発されたとある一言からラストまでの間、不覚にも溢れ出る涙が止まらなかった。しかも気持ちはかなり冷静なのにボロボロ涙がこぼれるものだから余計に困惑するという『マイマイ新子』以来の「なんで私が泣いてるのか誰か教えてください」状態（詳しくはこちら）に、「人間って悲しいとか悔しいとかそういったわかりやすく認識できるような強い感情がなくても、身体が興奮を知覚すると反射的に訳もわからず涙が溢れ出てくるんだよ」ということを久しぶりに思い出した。
前売り完売ですが、毎回当日券が出るので、少しでも気になってる方は勇気を出して足を運んでみてください。小劇場という会場の狭さを効果的に利用した演出がなされており、200人以上入る大きな劇場でしかお芝居を観たことがないという方には、小劇場ならではの良さが体感できるかと思います。
劇場アクセス→ サンモールスタジオ
当日券情報→ 演劇ユニット鵺的 (@NuetekiOfficial) | Twitter
※新宿御苑駅から徒歩2、3分。駅周辺にはカフェもいろいろあります。
鵺的インタビュー
尚、次回公演は来年3月です。
鵺的第13回公演『バロック』（作：高木登 演出：寺十吾）
日程・場所：2020年3月7日（土）〜15日（日） ザ・スズナリ
所属俳優の奧野亮子さんを始め、『悪魔を汚せ』の兄妹（祁答院雄貴・福永マリカ）も出演します。
感想つづき。ただ私、どっちかといったら一季ではなく佐季タイプの人間なので、じっくり考えてみると、あれは共振・共鳴した上での解放の涙かもしれない＞え？どっちに？佐季に？それってヤバくない？＞ていうかみんなそうじゃない？ 何かを遣り切ったような清々しい気分になったでしょ？ 同類だよ（笑）。でも、初演時はむしろ一季の宣言に拍手喝采したはずなのに3年で何が変わったんだろ。まあ、変わったというより3年前に破壊したはずのものがまた面前に提示されたことにより、揺れ動く善悪の針が佐季側に振れただけともいえる。そういや再演の台本買い損ねた。次回売ってるだろうか。比較したい。
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あれ？ でもちょっと待って。今回、役者の立ち位置・出入り等、初演時とは左右逆転してるんだよね。そのせいもあるのかな。いつかじっくり考えよう（また宿題が増えた）。
