第19回TAMA NEW WAVE観てきた

今年のTAMA NEW WAVEグランプリは『カルチェ』が授賞(ノミネート詳細はこちら。結果発表はこちら)。あれが「川」であれが「プール」て選択は絶妙だったと思う。ファンタジックなとある世界のお話なので、できればネタバレは避け、観ながら「これはあのことを表現してるのか」と自分で徐々に発見していってほしいタイプの映画です。『向こうの家』も良かったなあ。全体を包み込むこれしかないというタイトル。まさかのコメディで笑ったし、映画の中の距離感が良かった。個人的に女優賞は本作の“瞳子さん(大谷麻衣)”と『チョンティチャ』の“チョンちゃん(長月凜)”に入れました。ベスト男優は『向こうの家』の望月歩くんが獲ったけど、私は彼のもっとすごい芝居いくつも観てるのでこの程度ではあげれません。なので終盤の泣き演技からラストまでの受け芝居で『オーファンズ・ブルース』の“バンくん(上川拓郎)”に入れました。個人的に一番気に入ったのは渡邉安悟監督『ドブ川番外地』。好きだけど好きだからこそいろいろ文句言いたいっていう(笑)。監督は、「自分がいま作ってるこの映画はミュージカルなんだ」って自覚を持って完全にそっちへ振り切っちゃった方が良かったと思う。それなりに普通の映画の体裁をとらなきゃならんと思ったのか、台詞のある普通の芝居シーンを入れた結果、流れがちょくちょく停滞するのが勿体ない。そしてラスト間際の空を見上げての静寂カットはもうちょい長い方がよかった。