八王子市夢美術館で「王立宇宙軍 オネアミスの翼展 SFアニメができるまで」開催(2018/9/14〜11/11まで)

学芸員さんに詳しい人がいるのか、「安彦良和原画展(2006年開催)」「タツノコプロの世界展(2008年開催)」「大河原邦男のメカデザイン ガンダム、ボトムズ、ダグラム(2009年開催)」「特別展  押井守と映像の魔術師たち(2010年開催)」と一時期毎年のようにアニメ関係の展示を行ってきた夢美術館。ここしばらくなかったのですが、今年久しぶりに復活。しかも公開から31年も経ち、特に何か再評価の機運がメディア的に高まったとかそういう兆しもないオネアミスを何故いま?と思ったら、つい先日、2018年公開と謳われながら音沙汰のなかった続編『蒼きウル』(監督・山賀博之 キャラクターデザイン:貞本義行)が「2022年までに全世界公開を目指します!」と発表され、「代わりといってはなんですが…」と差し出されたのが映画『王立宇宙軍 オネアミスの翼(1987年公開 ガイナックス制作)』の特別展覧会、ということのようです。

「王立宇宙軍 オネアミスの翼展 SFアニメができるまで」
開催期間:2018年9月14日(金)〜11月11日(日)まで
場所:八王子市夢美術館(アクセスMAPはこちら
開館:10:00 〜 19:00(ただし、入館は午後6時30分まで)
休館日:月曜日(ただし、祝日、振替休日の場合は開館し翌平日休館)
料金:一般600円(団体480円)/学生300円(団体240円)/65才以上300円(団体240円)
年間パスポート:1人用1,400円 記名のご本人に限り有効 / 2人用2,400円 記名のご本人2名、または記名のご本人1名と同伴の方1名に限り有効


※上記画像は美術館で配られてるちらしの表裏ですが、画像をクリックし、飛んだ先の左下にある「オリジナルサイズを表示」をクリックしていただければ、もっと大きい画像で見ることができます。


〜紹介文(一部抜粋)〜
当時24才だった山賀博之監督をはじめ、無名だった若きクリエイターたちが劇場向けアニメ映画に初挑戦したことも異例でしたが、これまでのアニメ映画とは一線を画すその緻密な設定や映像美は、当時のアニメ業界に驚きをもって受け止められました。本作はスタッフたちと等身大の青春群像劇を描きつつ、その異世界の設定は美術、デザイン、建築、政治、思想、文学、言語、宗教、風俗、食物、宇宙、工学、衣服、武器など多岐にわたり、その詳細な設定がSFでありながら、作品にリアルな実感をもたらしました。特に注目したいのは、実際には使われることのなかった制作過程の素材資料が本作の背後に膨大な数として横たわり、この世界を形作っていたことです。それらの作り手の多くは、工業デザイン、建築、美術を学ぶ学生やまだ無名のアニメーター達でしたが、山賀監督は作品にリアルな実感を創出するために多種多様なセンスが必要と考え、彼らの個性が見えてきたところで得意な分野の素材資料を山ほど作らせます。しかし、監督はそれらの素材資料を作品中の世界を統一する目的で作らせたわけでは無く、むしろ個々の才能が生かされたアイデアやデザインなどを集め、そこから作品をひとつの世界へと徐々に構築していったのです。このような、部分から全体をつくる方法は本作特有の手法といえるでしょう。本展では、主にこれら素材資料を国内で初めて紹介します。

王立宇宙軍 オネアミスの翼』上映

上映時間:10時頃〜/12時頃〜/14時頃〜/16時頃〜(※1日4回 約120分 展示会場内にて繰り返し上映)
追記:本編がほぼ2時間なので、上映が終わるとすぐ次の上映が始まります。ロケット打ち上げシーンを観たい方は、次の回が始まる20分前に行けば良いかと(10時の回なら11時40分頃、12時の回なら13時40分頃)。

山賀博之監督ギャラリートーク(事前申込不要 計4回)

監督と会場内を巡りながら作品についての解説を聞く
日時:9/22(土)、9/29(土)、10/13(土)、10/27(土) いずれも午後3時〜4時
※費用は観覧料のみ。つまりその日時に展覧会に居るお客さんなら誰でも参加可能です。とりあえず写真撮りたいので人がいない日に行きたいって人は上記日時は避けるのが吉です。

山賀 博之×大西 信之対談講演会(往復ハガキにて要事前申込・抽選)

山賀博之監督と本作OP/ED/タイトルロールを担当した画家・大西信之氏による対談
日時:10/27(土)午後7時半〜9時
費用:600円(定員50名)
応募締め切り:10/2(火)消印有効
※詳しくはサイトをご覧ください。


尚、行った人のレポートによると、山賀監督のインタビュー映像(25分)やパイロットフィルムの上映などもあったようです。

何故八王子でやるのか?と思ったら、WEBアニメスタイルのコラム読むとメインスタッフである貞本義行前田真宏の両氏が造形大の学生だったのね(ちなみに前田さんは実写界隈だとジョージ・ミラーに請われて『マッドマックスFR』のコンセプトアート&デザインを担当したクリエイターといった方がわかりやすいかも)。


WEBアニメスタイル コラム アニメ様365日[小黒祐一郎] :目次
第339回 『王立宇宙軍』の天才達 | 第340回 『王立宇宙軍』パイロットフィルム 他 第339回〜348回までが『王立宇宙軍』関連コラムです。


八王子は造形大も多摩美もあるし、そこに通う学生さんたちに「30年前の学生さんたちはこんなだったんだよ」って見せて大いに刺激したいってところもあるのかな。とりあえず都心から離れてるのでさほど混むことなくゆったり観れると思います。なんせ今回の展示は「写真撮影可(ただし三脚・フラッシュ・動画禁止)」。パンフレット(税込980円)にもたくさん展示物が掲載されてるそうですが、展示物すべてを網羅してるわけではないそうなので、足りない分は写真におさめて持って帰ってください。パンフレットは郵送も行ってるので詳しくは夢美術館サイトでどうぞ。


会場の規模や雰囲気を知りたい方はtwitter検索でもかけてもらうと写真がガンガンUPされてます。


3回以上行かれる方や、同伴者付きで2回以上行かれる方には出入り自由になる年間パスポートがオススメです(1人用1400円/同伴者付2400円)。


トイレは展示会場の外にあるのでお気をつけて。特に展示物だけでなく本編映像もがっつり観る予定の方は、3時間ぐらい居ることになるので、受付を通る前に膀胱とよく相談なさってください(美術館構内図はこちら)。追記:トイレ利用のための一時退出は受付に申し出れば可能です!


尚、新作グッズもいろいろ売ってるそうです。ただし、夢美術館はクレジットカード不可で釣り銭があまり豊富じゃありません。JRで万札崩すなり銀行から降ろすなりしてから来ていただけると気持ちよく買えるのではないかなと思います。
「王立宇宙軍 オネアミスの翼展」ミュージアムショップ販売商品情報



夢美術館に行かれる方は、JR八王子駅改札を出たら右手(北口方面)に行き、スタバ手前の階段・エスカレーターを降りて1階へ。着いたら、薬局やくまざわ書店がある左手の道を歩き、「ユーロード」と呼ばれる斜めに突っ切るタイル敷きの遊歩道(遠くにドンキホーテが見える道です)をひたすら歩いてください。歩くと国道に出るので、国道沿いを左手方面に向かってまっすぐ歩いてゆくと、「荒井呉服店」ていう今年の成人の日に大活躍し一躍脚光を浴びることになったユーミンのご実家の前を通り過ぎるので、その十数メートル先が夢美術館の入ってるビルです。駅から歩いて10〜15分ぐらいかなあ。



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