『DAVID BOWIE is | デヴィッド・ボウイ大回顧展』と『Life on Mars?』

じゃーん!

残り3週(4/9まで)となったデビッド・ボウイ大回顧展に行ってきました。
 


ほぼ常時ボウイの音楽が流れ続け、何処見てもボウイの形跡だらけという幸せの国でございます。ボウイのライフマスクを被せたマネキンが多数の衣装を身にまとい、それを裏から表から「こういう素材だったのか」と至近距離で見ては、「やっぱスーツ系の衣装はボウイだから格好良く着れた」とか「70年代は圧倒的だよ」とボウイのウエストの細さに「お、おう…(汗)」と怯み、トキメキに死すため『スターマン』のライブ映像で何度もボウイに指さされていたら、展示としてはまだ半分ちょい過ぎたあたりだというのに気づけば2時間経過。見終わる前にトイレに行きたくなったらどうしようと不安になるぐらいのボリュームだったけど、終わってみれば「だいぶ駆け足で紹介してきた」という印象。時代もテーマも多岐にわたるため、「テーマ絞れば何回もやれるよ、この大回顧展」と思ったし、一度時系列順でも見てみたい。母方の病気の話とかすっかり忘れてたなあ(お兄ちゃんは壊れちゃったからね)。舞台版エレファントマンの映像って結局Youtubeでも見れるアレしか残ってないのか。若い時に出た自主映画「The Image」の映像や、念願だった「The Mask」のパントマイム映像が全部見られたのは嬉しかった。「Outside」のレコーディングに密着したドキュメンタリーなんてのもあったし、この展示のために新緑された坂本龍一ビートたけしの撮影秘話を聞いてると、今年の「午前十時の映画祭」ラインナップに『戦場のメリークリスマス』が入ってることに感謝するばかり。ひとつだけガラスケースの中で横たわってるマネキンがあり、その傍らに立ち、姿を眺めながら大音量で聞こえる『Rock'n'Roll Suicide』を聴いているとなんともいえない弔い気分が襲ってくる。


行かれる方は注意点がいろいろあるので必ず↓こちらのレポを熟読してから行ってください(私は大変助かりました)。特に大事なのはりんかい線の改札出る前に行うポスター撮影とトイレです。
http://monosukiblog.com/davidbowieis_20170110


主催者側が考えるMAXの入場人数がどの程度かわらからないけど、事前にヘッドホンが貸し出され、ブースの前に立つと音楽やインタビューが聞こえる仕組みなので、混んでると人の流れが滞ってかなり見づらいと思います。あと照明が暗いので、鳥目の人は文字が読みづらいかな。年代順に展示されてるわけでもなく、順路も大して決まってないので、膀胱に不安を抱えてる人は入ったら1回さらっと全体を眺めて時間配分をよく考え、空いてる箇所からじっくり細部を鑑賞してくのがいいと思う(だって最後のLIVEコーナーはじっくり堪能したいでしょ?)。入場は2時間単位で時間制限のかかったチケット売られてるけど、いったん入ったら体力と膀胱が許す限り何時間居てもOK。なんだかんだみんな3〜4時間居ることを考えると、比較的空いてる平日に行かれることを強く強くオススメします。尚、会期終了が迫ってるので、これ以上人が少なくなることはもう無いと思ってください。

DAVID BOWIE is | デヴィッド・ボウイ大回顧展@寺田倉庫G1ビル
http://davidbowieis.jp/
https://twitter.com/davidbowieisjp



いろいろ買って来たものの一部。大好きなLADY STARDUSTが収録されてるアナログEPは完全なるジャケ買いりんかい線改札内のポスターを撮影してくるともらえるステッカーに、ボウイ展に併設されてるカフェでお茶するともらえるコースター。
 
展示図録は重すぎて断念した(汗。だってあれ1.5kgはあるよ>ねーよ>あるよ!ただでさえ肩こり頭痛が治りきらない状態で行ったのに帰りの電車で嘔吐したくはない)。amazonでもいまのところ注文可能です。

デヴィッド・ボウイ・イズ 復刻版 (SPACE SHOWER BOOKs)

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ちなみに、、、
展示会場にはフランク・シナトラの大ヒット曲『My Way』にコード進行がとても良く似ていることで知られる名曲『Life On Mars?』の単独ブースも出来ており、「フランキーにインスパイアされて作られた曲」といった説明書きがついてるんだけど、先日フランスの国民的ポップスターであるところのクロード・フランソワの伝記映画『最後のマイ・ウェイ』を観に行った際に、トークゲストに来ていたサエキけんぞう氏が「クロード・フランソワが作詞作曲した『いつのもように(Comme d'habitude)』という歌が『マイ・ウェイ(My Way)』の原曲で、フランスで原曲が大ヒットした後、フランク・シナトラがカバーするよりも前に、イギリスでカバー話が持ち上がり、当時まだ売れてなかったデビッド・ボウイに作詞の依頼があったが結局ボツになった」という話をしていたんですよ。その貴重なデモ音源がYoutubeにあがっていたのでご紹介しておきます(冒頭40秒がデモ。その後はリチャード・クレイダーマンによるピアノ演奏です)。

Even a fool learns to love - David Bowie - Outtake + Instrumental

There was a time, the laughing time
I took my heart to every party
They'd point my way
"How are you today?"
"Will you make us laugh?
Chase our blues away?"
Their funny man won't let them down
No, he'd dance and prance and be their clown
That time, the laughing time
When even a fool learns to love

タイトルの『Even a fool learns to love』でググってもらうと歌詞の全文が出てきます。原曲が発売されたのが67年、シナトラの『MyWay』が69年。記事によると、このデモがレコーディングされたのが68年の1〜2月あたりだそうです。当時はリンゼイ・ケンプのもとでパントマイムを習いだした時期であり、69年に撮られたボウイのマイム作品『The Mask』と並べて展示したくなる歌詞になっているあたりが興味深い。


デモで歌うボウイのバックに流れてるのが↓こちらの原曲。
Comme d'habitude - Claude François -


そしてボウイの『Life on Mars?』



なんと! 図られたように、パントマイムの影響が色濃く残る69年に制作されたプロモーションビデオの数々が詰まったPV集が発売されたばっかということでめっちゃ嬉しい(「The Mask」も収録)。

ラヴ・ユー・ティル・チューズデイ [DVD]

ラヴ・ユー・ティル・チューズデイ [DVD]


収録映像の詳細は↓こちらが詳しいです(文中に出てくる『LYTT』というのが本タイトルの略。)。
http://www.bowie.sakura.ne.jp/features/visual/60s.html


尚、「寺田倉庫のある天王洲アイルまで行く暇がない」という方向けに、3/28まで新宿伊勢丹メンズ館1F・2F・8Fで出張展示中です。
http://davidbowieis.jp/news/19006/