『地球に落ちてきた男』『ジギー・スターダスト』追悼鑑賞してきた

仕事にめどが立ってきたので立川で『地球に落ちてきた男』→『ジギー・スターダスト』と連続鑑賞。70年代の見目麗しいボウイ様ですよ。清水玲子の漫勉を観た後だと「やっぱり美男子を構成してるのは硬質な髪のラインなのね」とか「70年代当時の少女漫画界隈にこのビジュアルが与えた影響たるや」なんてことをいろいろ考えつつ、事故や自殺、ドラッグで早死にすることも、『地球に落ちてきた男』の異星人のように、周囲の人間や愛する女性すらもどんどん年老いてゆく中、ひとりだけ年も取らずに若く美しいまま孤独に死んでゆくなんてこともなく、ちゃんと年老いて69歳まで生きて息子であるダンカン・ジョーンズの成長もきちんと見守れた後で死ねたボウイは幸せだったんじゃないかとしみじみ涙した次第。


亡くなった事実の後に新たに訳された日本語対訳を見ながら聞くボウイの歌、声、歌唱する若き姿は予想以上に染みるわけで、特に「この少年が本当の俺だ 本当のお前と本当の俺」とシャンソン歌手のように客席に歌いかける『The Wild Eyed Boy From Freecloud(フリークラウドから来たワイルドな瞳の少年)』、25歳でどうやって死ぬかということばかり考えてる青年がすべての若き野郎どもに「いい報せをきかせろよ!」と訴える『All the Young Dudes(すべての若き野郎ども)』、「時間は僕を変えてくれるが 僕は時間をさかのぼれない」と明るく歌う『Changes(チェンジズ)』の流れがたまらない。あの3曲の歌詞でこんなに泣くとは思わなかった(パンフレットには字幕書き起こしが載ってるのでお買い忘れ無きよう)。


ちなみに『地球に落ちてきた男』は追加シーンありの《無修正版》なので、「アイドルはトイレに行かない」と同じく「人間を超越した美青年の股間は晒すべきか否か」問題が無くはなかったり(相変わらず映倫の修正基準がわからない。ホドロフスキー監督「リアリティのダンス」の放尿シーンはダメだったのに)。立川での上映は3/10(金)まで(座席はこちら)。ジギーの極音上映は3/16(木)が最終です(座席はこちら)。



それから、デジタルリマスターされた「午前十時の映画祭」の2017年ラインナップに『戦場のメリークリスマス』が含まれてます。お楽しみに。