『ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK』【極音】を観た(@立川シネマシティaスタ)

ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK』の極音上映観てきた。曲は知ってるけどビートルズ自体はよく知らず、彼らが割と早い段階でライブを完全にやらなくなったってこと自体を映画で初めて知ったので、当時の時代背景や世界情勢と「何故彼らがライブをやらなくなっていったのか」っていうあたりを丁寧にすくい取っていった今回の映画はすごく面白かった。ライブをやっていた頃のビートルズはただの屈託のない若い兄ちゃんたちで、ライブ中も1曲終わるごとに深々と客席にお辞儀してる様がフレッシュでとにかく可愛らしい(若いジョージ・ハリスンの笑顔なんてもはや林遣都くんか2丁拳銃の小堀にしか見えないw)。本編上映後に30分のライブ映像がついてるんだけど、一応立川では「まるでスタジアムにいるような臨場感でお楽しみください」というのを売りに極音上映してるのね。その臨場感のおかげで図らずも『放送禁止』シリーズみたいなことになっていた(苦笑)。いやたぶんビートルズファンからしたら、「あのライブ映像が見られて嬉しい!」て気持ちの方が先にくるんで「放送禁止みたい」なんて受け止め方はしないんだろうけど、ビートルズに対しそこまでの思い入れがない身からすると、直前のドキュメンタリーで、今回のライブがどんな劣悪な環境で行われたライブなのかっていう説明が散々なされるわけですよ。当時としては例を見ない5万人クラスの野外ライブで、会場のでかさにスピーカーの出力が対応しきれず、演奏中も終始歓声を上げ続ける観客の声にかき消されて、スピーカーの横でドラム叩いてるリンゴにはメンバーの音がほとんど聞こえず、演奏するメンバーの腕や頭の振り方を見てタイミングをはかってたと。そして終了後にジョージが「こんなライブがこの先も続くならもうライブはやりたくない」って言って急速に気持ちが冷めていったなんて前フリされた状態で見たもんだから、ひとり不安げなリンゴの顔が映る度に「リンゴ、ガンバレ!」と心の底から応援し、たまに見せる笑顔にホッとし、時折後ろを向いてリンゴの様子を伺うジョンやジョージにほっこりし、終始止まない臨場感溢れる奇声・歓声に「そういえば、昔よく日本に来た外タレが日本の客はちゃんと曲を静かに聴いてくれるって言ってたけど、あれはこういう体験からくる発言だったのか」なんて思いながら、「確かにこんな騒音の中でのライブがこの先も永遠に続くのかと思ったら嫌気がさしても仕方ないだろうなあ」と妙に納得させられる貴重なライブ映像でした(↓これがその一部)。