12/20(土)よりテアトル新宿で上映されてる安藤サクラ主演『百円の恋』が1/24(土)より立川でもやる、しかも舞台挨拶付きということで行ってきました。『鈴木先生』の舞台挨拶で立川くんだりまでやってきた長谷川博己を見に行った際も思いましたが、都心で見る芸能人と郊外で見る芸能人はありがたみが違います(笑)。しかも髪切ったおかげでデビュー以来もっとも可愛くなってる生・安藤サクラは本当に可愛らしかったので、誰かそろそろ素のキャラを生かした“おっとりドジッ子萌え”なカノジョ役とかオファーしてください。お願いします。今の安藤サクラなら「多部ちゃん、かわいい」(解説:多部未華子が出ているドラマを見てる間中、ただひたすらに「多部ちゃんかわいい」という感想しか呟かない状態)に肉薄できると思う。
↓こちらのインタビュー写真(特に左側)がいま現在のビジュアル。芝居してない素の安藤サクラはこんな感じです。
インタビュー:安藤サクラ | 安藤サクラ×新井浩文×武正晴監督
当初は監督も登壇する予定でしたが、別の仕事が入ったらしく(後で調べたら地方の舞台挨拶に行ってた模様)サクラちゃんのみ登壇ということで急遽ティーチインに変更(司会進行は配給を担当しているスポプロの直井さん)。本作での安藤サクラは、脂肪付き放題のだらしない肉体から引き締まったボクサー体型へと驚異的な肉体変貌を遂げており、まずはそのあたりの質問から。
こう見えて撮影期間は2週間(14日間)。インターバルなし。太ってるシーンを撮影しながら10日あまりでボクサー体型へと絞り込んでいったそうで、「え? ムリでしょ普通。どういう原理?」と思ったら、実はこういうことらしい。
まずは徹底的にトレーニングしていったんボクサー体型になる。
前半に太ってるシーン(しかもヌードがあるのでごまかしがきかない)の撮影があるため、カロリーのあるものを食べに食べまくり筋肉の上に脂肪が乗ってる“相撲取り体型”を作り上げてからクランクイン。撮影が始まると食事制限をスタートさせ、10日で一気にボクサー体型へと戻してゆく。↓これがその成果です。
→10日後→
筋肉があった方が痩せやすいとはいえ、新陳代謝の活発な10代でもないのに、わずか10日でこんだけ痩せるのはすごいです。夢があります(笑)。でも、「いまダイエットをしようと撮影時と同じような食生活を送っても、環境やプレッシャー、モチベーションがあの時とは全く違うので、たった10日であそこまで痩せるのはもうムリだ」と言ってました(残念)。
撮影自体がハードなので落とすのは思ったより楽だったみたい。ただ、何も食べないとせっかくつけた筋肉まで落ちてしまうため、3時間起きに鳥のささみを摂取し筋肉を維持し続けなければならんという別の気苦労があった模様。また、自分では結構順調に痩せてきてるつもりでも、自宅に戻ると傍で体型変化を見ている旦那さんが「昨日とあんまり体型変わってないんじゃない?」とプレッシャーかけてくるので気が抜けなかったと。でも実はこれ、佑くんの心理作戦だったことが最近判明したらしい(内助の功やね)。
普段本当に運動とは縁のない生活をしていて、腕相撲でも1回も勝ったことないぐらいと語るサクラちゃんだが、本作では普段のイメージからは想像もつかないほどキレのある動き、華麗なフットワークを披露しており、「意外と性に合っているんじゃない?」と密かに思っていたところ、本人曰く、実は、中学3年の時に、近所のボクシングジムに1年通ってたことがあり(しかも自分で門を叩いて通い始めたらしい)、意外にもボクシングの経験がないわけじゃなかったそうだ(より詳しい話はこちらを参照)。なら見るのも好きなのかと思いきや、やるのは好きだけど見るのは怖いから苦手。ボクシングの師匠に参考になるからといくつか試合のテープを渡されたときも拒んだらしい(笑)。ちなみに、試合相手のボクサー役の女性もプロではなく、趣味で1年ほどボクシングをしていた女優さんとのこと。撮影が終わった今でも、時折無性にボクシングがしたくなることがあるけど、筋肉も落ちて、撮影当時ほど思うように身体が動かないのがジレンマで、なかなか手が出せないらしい。
アドリブに関する質問には次のように答えてた。本編中、セコンドについてるトレーナーが試合中にかける言葉以外、アドリブで言ってる台詞はほぼ無くて、かなり台本に忠実。台詞の間(ま)も「・・・」と書いてあるのを忠実に再現しているとのこと。風邪を引いて肉のかたまりを喰らうシーンでのやりとりなんかどう見てもアドリブにしか見えないんだけど、箸が折れるとこ以外、すべて台本通り。唯一アドリブで言った台詞が、呑んだあと酷い目にあって街中を歩くシーンでの「痛い痛い痛い痛い」という台詞なんだけど、台本になかったその台詞が、台本しか見ずに作ったはずの主題歌でも同じように連呼されていてビックリしたそうだ。
また、主人公・一子がシャドウボクシングしながら街中を走るシーンについて、台本を読んだときから監督の頭の中にはアデルの「Rolling in the Deep」がイメージされており、普段だったら音楽を流しながらの撮影なんてことは録音部のスタッフとか大変になるので絶対しないんだけど、試しに曲を流しながら撮影してみたところ流さないときより全然表情が良かったとのこと。
本人も「私は全然自覚なかったんだけど・・・」と一端は否定したものの、「いや、自覚してたか」とすぐに思い直してました(ま、ここらへんは「アイ・オブ・ザ・タイガー」聞きながら筋トレすると気持ちが入るっていうのと一緒ですね)。
撮影期間が無かったので順撮りというわけにはいかず、今日はコンビニのシーン、明日はお弁当屋のシーンといった具合に必要なカットを場所毎に撮影していったそうで、シーンによって太り具合にばらつきがあるのは気のせいじゃなかったのかと妙に納得しました。
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映画を観た感想としては、思ってた以上にまっとうな・・・というか、純粋なボクシング映画でした。主人公の一子がボクシングを始めるきっかけとなる出来事があるんだけど、想像してたものとは全く違っており、実に素朴。そこがとても気に入ったし、だからこそ純化できたのかなと思った次第。あと全編を通して思ったのは、やっぱ卑屈にならないって大事だよねってこと。ほんと大事だと思う。
12/20よりテアトル新宿で公開スタートした本作も、新宿での上映は2/6(金)で終了。ただし上映館が次々増えていったおかげで、現在上映中の立川シネマシティ、シネリーブル池袋では2/13(金)まで、ニュー八王子シネマでは2/20まで上映中。1/31(土)より公開スタートしたシネマート六本木、2/7(土)より上映中の渋谷HUMAXシネマではまだまだ終了日未定ということなので、お時間のある方は是非近くの劇場に足を運んでみてください(劇場一覧はこちらからどうぞ)。
もう1本の主演映画『0.5ミリ』も本当にいい映画なので、機会があったら是非! 『贖罪』の「第3話 くまの兄妹」でも思ったけど、安藤サクラには間違いなくヒーローの資質が備わってるので、社会の片隅でうずくまってる弱者を救い出す旅にまた出してあげてほしいです。