『讐〜ADA〜』を観た(@オーディトリウム渋谷)

白石晃士監督の新作『讐〜ADA〜』を観てきた。これはね、昼13:00〜と15:00〜という二部作連続上映という勤め人には過酷な日程だけど、運良く今週早めの夏休みとってる人と夏休み真っ盛りの学生、それから来週から公開される地方組は迷わず見に行ってほしい(尚、笑いは一切ないです)。ちなみに金曜は急遽1000円になったらしいんで是非(劇場サイトはこちら。一部・二部共にトークショーあり)。持ち味がいくつもある監督ではあるけど、強者が暴力によって支配する階層社会において、物理的に強者である人間が心理的にも強者であるとは限らないという拮抗した力関係、強者の驕り・油断が招く弱者からの下克上→立場逆転からのイニシアチブの取り合いを描くのがとても上手くて(一番顕著なのが暴力人間とグロテスク)、最近は割となりをひそめてたんだけど、今回は久しぶりに復活した感じ。片方じゃなく、それぞれにサポーターをつけるってのも面白かった。サクラちゃんは動きもいいし、これでおしまいにするには勿体ないキャラ。『カルト』のネオ様と共にまたどこかで再登板してほしい。あとお母さんの死顔が素晴らしかった。あんな顔、肉体再生中の富江でしか見たことないのに生身の人間にやらせるとは。壁に弾痕がつく様をワンカットで見せたのも良かった(『ナイトピープル』の流れ弾といい、何か風が吹いてるの?)。できればDVD発売前に7時と9時の連続上映を実現させてほしいけど、オーディトリウム渋谷は予定詰まっちゃってるんだよねえ。アップリンクさんとかどうですか?