『ミロクローゼ』トーク、石橋義正×スプツニ子!(@シネクイント)

渋谷シネクイントで12/14(金)まで公開中の山田孝之主演『ミロクローゼ』ですが、12/9(日)14:00の回上映後に石橋義正監督と監督がいま気になってる現代アーティストということで監督ご指名によりアーティストのスプツニ子!さんを呼んでのトークショーが行われました。「スプツニ子!さんて誰やねん」という方はこちらをご覧ください(BS日テレの「TOKYO DESIGNERS WEEK」に出演中。現在、初台の [ICC] で個展開催中)。


イギリス人とのハーフで(本作に出演してるマイコとは小学校時代の同級生)、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートRCA)在学中に制作した作品が認められ、現代アートの世界で活躍することになったスプツニ子!さん。実は、石橋義正監督も3ヶ月ほどRCAに通ってたことがあり、「監督のもつブラックな笑いのルーツは?」と問われ「モンティパイソン」と答えた後に、RCA時代の嬉しい思い出のひとつとして「モンティ・パイソン」のメンバーでもあったテリー・ギリアムに一度だけレクチャーしてもらったことがあると語ってました。


『ミロクローゼ』の企画が起ち上がったのが8年前。山田孝之演じる3人の人物についての構想がまずあり、ショート作品ならすぐに作れたが、もともと「映画監督になりたい」というおもいでこの世界に足を踏み入れたこともあって、なんとか長編にするべく脚本を練っていたらちょっと時間がかかってしまったと。


撮影に入ったのは4年前(山田クンは「十三人の刺客」の撮影後に合流したので2009年10月以降か)。セットやビジュアルのデザインは撮影が決まってから考えたのでは遅いので、その前から作りはじめてたと。キャスティングについては、監督自身がファンだったという理由で原田美枝子さんにダメもとでオファーしたところ、「最近いいお母さん役ばかりだったので、こういう悪い役は久しぶり」と喜んで引き受けてくれたそうで、無礼な客人の耳を刀で切り落とすシーンでは、わざわざ友人である真田広之(!)にレクチャー受けて挑んでくれたとか。また、鈴木清順監督などは、撮影のときに「入れ歯は取った方がいいよね」と清順監督の方から提案してきてくれたそうで、山田クンに頭をはたかれるシーンでは、音が出る程度に空振るつもりだった山田クンが、片目に白濁コンタクトをつけてたせいでうまく距離感がつかめず、清順監督の頭を赤くなるぐらい思いっきりはたいてしまったなんてアクシデントも。また、本作で初のダンスシーンに挑戦した山田クンですが、監督自身ダンスが結構得意ということもあり「振り付けの人は別にいたんですが、撮影時に山田君の前で一緒になって踊ってたら、それが彼にとっては結構プレッシャーになってたみたいで・・・」と語ってました。また役者・山田孝之については「自分がどう見られるかということより、この作品が最終的に目指すとこはどこなのかということを常に頭に入れて芝居を考え意見を出してくれる、非常にクリエイティブな視点をもった役者」と評してました。


かなりポップでキュートな世界観によって構築されてるオブレネリ・ブレネリギャーのパートについて、「日本には見えないがどこで撮影したのか」と問うと、オブレネリがマイコ演じる“偉大なるミロクローゼ”と出会い一目惚れする公園は神戸で撮影。ちょっと芝生が伸びすぎてたので撮影直前に地元の人が気を利かせて刈り入れてくれたら、気合いが入りすぎて芝がほとんどなくなり茶色い地肌が剥きだしになってしまったのをCGで緑に色づけするという予定外のハプニングもあったようです(笑)。また、彼らが暮らす家についてはセットと同じ模型を作りところどころ映像を差し替えてるので、実物とは違った模型の質感が良い具合に作用してるのではないかと解説してました。


終盤の大立ち回りシーンについては、まず絵巻物のような絵コンテを描いて、それを撮影しムービーにして殺陣師の人に見せ、そこからアクションを考えてもらい、ワンカットで撮影。スローモーションだと当ててないとすぐバレるので、「刀は完全に身体に当てて、刃先を飛んで避けるような場面では背中から確実に落ちてください」とリクエスト。また、立ち回り中に全員で見得を切るカットがあるけど、あの早い立ち回りの中、全員がピタッと同じタイミングで見得を切るよう頑張ってもらったそうです。尚、山田クンが歌舞伎の浮世絵のように首をあらぬ角度に傾げてる場面ですが(予告の0:30参照)、ここはさすがに顔を別撮りしてモーフィングで加工処理してるそうです。


そんなわけでシネクイントでの上映は12/14(金)まで。12/13(木) 19:15の回 上映後にもトークショーあり。ゲストは奥田瑛二(なきゃむら役)、齋藤寛朗プロデューサーのお二人。



山田孝之の浪人姿はカッコイイね。惚れ惚れした。また時代劇に出てほしい。そしてDVD化の際には、是非スローモーションをかけないバージョンの大立ち回りシーンを特典映像としてつけてください。



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