『富夫』を観た(@渋谷ユーロスペース)

伊藤潤二初監督作品『富夫』観てきたよ〜。大方の予想に反し、すごい面白かった! 
“怖がらせる”という意味でのホラー描写に関してはこれといって目を見張るようなところはなかったけれど、潤二作品に欠かせない要素でありながら映像化の際になかなかうまく再現できず不満の残ることが多かった“シュールな笑い”については、「本人が撮るとこんなにも上手く再現できるのか?!」と驚きを隠せないほどの出来でもう大満足でした! 


切断された首が落ちないように両手で支え続ける青年・富夫に訪れる“数々の困難”“周囲の無理解”にクスクス笑いが止まらない。さすが「短編ならいくらでも書ける」と豪語するだけのことはありますよ。設定や台詞の妙はもちろん、富夫役を演じたホリプロの新人・古川雄輝くんが、潤二作品から抜け出てきたような足長スタイルの持ち主な上に、世界観にマッチした的確な芝居を見せてくれたおかげで、予期笑いの絶えない潤二節炸裂な不条理ホラーに仕上がってました。ま、実写にすると余計にシュールってとこはあるよね(笑)。明日DVDが出るので潤二ファンなら一度はお手にとって見てみてください!

富夫 [DVD]

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舞台挨拶時の楽屋写真はこちら(古川くんのブログより)。