10月から土8をバラエティ枠に戻すTBSが、金曜深夜に実験的ドラマ枠を新設!

「家族全員で見れる、語れる、考えられる、そして参加できる新しいドラマ作りを目指した視聴者参加型ドラマ」として2008年4月よりスタートしたTBS土8枠が、壮大なる構想を一度も実現させることなく2年半で幕を閉じることが正式発表されました。

TBS、土8は10月からバラエティー枠(@サンスポ)


TBSは28日、速水もこみち(25)と志田未来(17)のW主演ドラマ「ハンマーセッション!」が放送中の土曜8時のドラマ枠を、10月からバラエティー枠に戻すと発表。「8時だョ!全員集合」などヒット番組を世に送り出したが、2008年4月期放送の「ROOKIES」以来ドラマ枠になっていた。同局は「この枠の活性化を計りたかった」と理由を説明。


土8の紆余曲折については過去記事を参照されたし。
ついに視聴者参加型ドラマに着手するTBS(2007/12/18)
アホかTBS!視聴者参加型番組公式サイト見て更にあきれる(2007/12/19)
TBS土8枠、夏から『恋空』スタートで「視聴者参加型ドラマ」構想は実現することなく消滅?(2008/5/21)
視聴者参加型ドラマでおなじみTBS土8サイトがようやく「応募の受付は終了しました」宣言出しました(2010/1/23)


お時間の無い方に簡単に説明すると、2007年秋クールのTBSドラマ(「ジョシデカ!「歌姫」ハタチの恋人」)が軒並み一桁の低視聴率に陥り、まだ撮影中にもかかわらず当時の社長が定例会見の席で「今クールは早く終わってくれないかなと思っている。視聴率表を見るのが憂鬱」と暴言吐いたのがことのはじまり(関連:看板倒れ「ドラマのTBS」 視聴率低迷に社長「憂鬱だ」)。てこ入れとして、長年バラエティ枠だった土曜8時に視聴者参加型ドラマ枠を設立。公式サイトでドラマ化して欲しい原作やプロット、キャスティング案等のアイデアを視聴者から募り実現化を約束。準備期間が短いため2008年4月にスタートする第1弾についてはTBSが以前よりあたためていたドラマ『ルーキーズ』を制作し放送。しかしこれが予想以上の高視聴率をたたき出してしまい、当時TBS製作によるガッキー主演映画『恋空』が若い女性を中心に大ヒットしてたこともあって欲目が出たのか、「視聴者に原作・キャスティング案を出してもらう」「家族全員で見れる、語れる、考えられる作品」という当初の予定をあっさり変更。“鉄は熱いうちに打て”とばかりに二匹目のドジョウ狙いで『恋空』ドラマ化に着手。視聴者参加型ドラマ枠と銘打ってた手前、せめて主演女優だけでもとプロアマ問わず広く募集をかけオーディションで決めると発表し話題作りを狙うも、既に内定情報がファンの間に出回ってたため出来レースを疑われる始末。欲が裏目に出て視聴率も惨ざんたる結果に。続く3作目でようやく視聴者参加型ドラマに着手するかと思いきや完全黙殺を決め込み、アイデア募集をかけてた土8公式サイトの更新も途絶え、最初にぶちあげた構想は1度も実現することなく2年半で幕を閉じることに。



土8終了にあたりスタッフの皆さんにはきちんと反省会を開いてほしいところ。しかし「過去の嫌な不都合な記憶は忘れて前を向こう」と常にポジティブシンキングかつ視聴者に叩かれるのが大好きなTBSがそんなことするわけもなく、場所を変えて再び似たような企画に着手。それが↓これ。

TBS深夜ドラマはミステリーサスペンス(@日刊スポーツ)


TBSが10月期、深夜帯にドラマ枠「フライデー・ブレイク」(金曜深夜0時20分)を編成することが20日、分かった。従来のバラエティー枠を改編するもので、同局は若い世代をターゲットに、テンポの速いミステリーサスペンスを放送するという。さらに、視聴者参加型番組を目指しており、主演および主要キャストの最終オーディションの模様を、動画共有サービス「ユーストリーム」で、22日午後2時半から完全生中継することも決定した。


新たに番組を立ち上げ、チーフプロデューサーを務めるのは連ドラ「新参者」がヒットした伊与田英徳氏。同氏は「面白い企画は深夜帯から生まれてくるもの。新しいメディアを使い、“ブレイク”にちなんで、キャストや脚本家は伸び盛りの若手を中心に集め、飢えた才能を発掘したい」と意気込んでいる。


 一般公募を含め、約1500人の中から現在70人が最終選考に進んでいる。22日午後9時には主要キャスト5人が決定し、後日発表される。放送は1クール全10話の予定。タイトルは未定だが、視聴者のリピーターを増やすため、30分間のスピード感あふれるサスペンスにこだわり抜いた。


 伊与田氏は「オーディションだけでなく、今後は衣装合わせやリハーサル、スタッフルームなどの舞台裏も、ユーストリームで生中継していくつもりです」と話す。完成したドラマを放送するだけではなく、その制作過程も積極的にオープンにすることで、視聴者の番組への関心を高める意向のようだ。

TBS、10月より新たなドラマ枠を開設! 実験要素の強い“チャレンジ枠”に (@オリコン)


TBSが10月より毎週金曜日の深0時20分より30分の新ドラマ枠『Friday Break』を開設することが20日、わかった。第1弾は、主演を含む主要キャストを1500人参加のオーディションにて選抜するという、決してゴールデンタイムでは出来ない、新たな試みを打ち出していく。伊與田英徳チーフプロデューサーは、「『Friday Break』という枠から飛び出してくる多くのキャスト・スタッフが、『Break』するきっかけになる! そんなドラマにしたいと思っています」と同枠から次世代のスターを発掘する目論見を明かすなど、“ドラマのTBS”復権に向け新たな狼煙を上げる。


10月より放送の第1弾はタイトルは未定だが、ヒューマンサスペンス&高速ミステリーとして、金曜の深夜の30分枠にふさわしい、スピード感溢れるシナリオ展開のドラマを放送する予定。主要キャストも応募総数1500人から選抜し、8月22日に行われる最終オーディションの模様は動画共有サービス・ USTREAMで完全生中継(午後2時30分〜9時予定)される。


 『ヤンキー母校に帰る』『MR.BRAIN』『新参者』(いずれもTBS系)など話題のドラマを手がけてきた伊與田チーフプロデューサーは、「『Friday Break』という新たな枠での連続ドラマは、大きなチャレンジだと思っています。今までのドラマの枠を超えて、ゴールデンでは決してできない、新しいことにもどんどんチャレンジしていきたいと思います!」と怪気炎。


 オーディションの生中継については「どこか密閉された感じのあるドラマという世界を、もっと視聴者の皆さんに身近に感じてもらうために実施することにしました。いつでも見られているという緊張感を感じながら、この視聴者の皆さんとの密接感を新しいタイプのドラマ作りに活かしていきたいと思っています」と説明する。


 同枠では、ドラマのスタッフルーム24時間Live中継や、今まで決して見ることが出来なかったドラマの裏側である、衣装合わせやリハーサルなども生中継していくという。さらに、USTREAMの特徴の1つである、投票機能もフィーチャーし、視聴者もドラマに参加できるような試みも予定している。

8/22の生中継を見た人によると、最終オーディションには今フジの昼ドラに出てる広瀬アリスちゃんを始め、飛鳥凜ちゃん、水沢奈子ちゃん、高梨臨ちゃんらも出てた模様。「毎週金曜日の深夜0時20分(30分枠)」って言うと、「テレ朝・金曜ナイトドラマ枠(23時15分〜0時15分)との勝負は避けるが、テレ東・ドラマ24枠(0時12分〜0時53分)なんて敵じゃねーから真っ向勝負ですよ」宣言ですね。わかります。


こちらが公式サイト。

TBS「金曜深夜 新連続ドラマ枠『Friday Break』」作品タイトル未定


TBSでは10月クールより、金曜日の深夜に『Friday Break』なる30分の新たな連続ドラマ枠を開設することが決定した。『Friday─』という名の通り、この枠ではいままでにあった既存のドラマスタイルをぶち壊し、決してゴールデンではできないような“新たな試み”を続々と打ち出していく予定。その第一弾として放送される作品のタイトルは未定だが、「ヒューマンサスペンス&高速ミステリー」を扱ったスピード感溢れるシナリオ展開のドラマとなること、また主要キャストをオーディションによってキャスティングすることなどが決定している。これまでのドラマの常識を覆すことになるであろう、深夜ドラマ枠「Friday Break」に、どうぞご期待ください!!


公式TwitterTBS-Friday Break(tbsfridaybreak)on Twitter
公式USTREAM(新)連続ドラマ枠『Friday Break』 スタッフルームを大公開!視聴者参加型企画もあるよ

「既存のドラマスタイルをぶちこわし」ってどこかで聞いたフレーズ。ustでも「あなたの意見がドラマになる!?」ってまたどこかで聞いたフレーズ。「ゴールデンではできない」っていうけど、主演オーディション自体は土8でもやってるし、そもそも土8枠がそういうチャレンジングなことする枠だったんじゃないのかな。え? 忘れちゃった?・・・もう、↓これ読んで思い出して!

「土8が変わる」土曜8時。TBSは新しいスタイルのドラマに挑戦します!!あなたのアイディアを形にしませんか?


TBSでは2008年4月より、これまでにない新しいスタイルのドラマにチャレンジします。 "テレビドラマ"を常にリードし続けてきたTBSドラマだからこそ、敢えてこれまで作り上げてきた概念を打ち破り、新しい手法のドラマを打ち出していきます。それが「ドラマのTBS」と呼ばれてきたTBSが、今やらなければいけない使命だと考えています。これからも「ドラマのTBS」と呼び続けられるためにも――― そのチャレンジにふさわしい枠は、土曜8時をおいて他にはありません。かつては国民的番組「8時だョ!全員集合」を放送し、まさに日本国民を「テレビっ子」にさせたTBSの黄金枠を「ドラマ」で復活させます。コンセプトは、もちろん”めちゃめちゃオーラのあるドラマ*1”である事に加え、“8時だョ!全員集合”という言葉通り、家族全員で見れる、語れる、考えられる、そして参加できる新しいドラマです。具体的には以下のような企画を募集または近日募集スタートさせます。夢のような話をメディアミックスによって限りなく可能にするチャレンジをしていきます!!

視聴者参加型ドラマ

○あなたの好きな原作があなたの好きなキャストでドラマ化されたら…
○あなたの描くストーリーがあなたの好きなキャストでドラマ化されたら...
○あなたがドラマのキャストと様々な形で"共演"できたら...
○ドラマのストーリーや宣伝展開が、あなたの意見で変化していったら...
○新たなメディア連動への挑戦(これまでも番組関連の商品化は行われてきたが、この枠ではドラマの企画立案段階から商品化やコラボCM・事業展開を視野に入れ、ドラマの内容にも反映させながら進めていきます。 コラボ商品・CM展開などさまざまなアイディアを募集します!)

「TBSは新しいスタイルのドラマに挑戦します!!」「そのチャレンジにふさわしい枠は、土曜8時をおいて他にはありません」、、、って意気込みは公式サイト立ち上げからわずか3ヶ月でどうして萎んじゃったんだろ。やって失敗して萎むならわかるけどやりもしなかった。「TBSは視聴者にお伺いを立てなきゃドラマひとつも作れないのか」と散々みんなに呆れられバカにされコケにされながらも始めたことなのに、「何らかの形で発表し実現化を約束します!」なんて言いながらアイデア募集するだけして発表も実現もしなかった。別に面白いドラマさえ作ってくれれば“視聴者参加型”なんてわざわざ謳わなくても視聴者は勝手に参加するんだけどね。TBSはすぐ忘れちゃうのでこれからも何回でも蒸し返しますよ。


個人的に、W録&リアルタイム視聴でも追いつかない激戦の金曜深夜、しかも既存ドラマ枠の裏にドラマをぶつけてくる無神経さは大キライなので、企画自体は冷ややかな目で見てます。でも、第1回で終わるかと思った「TBS連ドラ・シナリオ大賞」だってちゃんと続いてるわけだし、そこから連ドラへの新人起用もやってるし、新しいドラマで「若手育成」と謳ってることについては特に文句ないどころか大いに頑張って欲しいので、視聴率が高かろうが低かろうが惑わされることなくきちっと死守してやってってほしいです。土8の二の舞だけは勘弁。


*1:これは当時裏番組だった「めちゃイケ」と「オーラの泉」に掛けてある。