『ボクらの時代』トーク、高良健吾×松田翔太×新井浩文

公開中の『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』に出演してる高良健吾(22)、松田翔太(24)、新井浩文(31)の3人が今回のゲスト。別の撮影でたまたま居合わせた“カヨちゃん”こと安藤サクラが見守る中で行われました。映画のトークショーには何度も出てる新井くんですが、テレビでのフリートークは初ということで一人緊張気味。いつもは監督の横で愛すべきいじられキャラとして立ち回ってる新井君も、今回ばかりは若い二人相手に“頼れるお兄さん”風を吹かせていたのが新鮮でした。趣味や好きな女性のタイプに関する話はバッサリ割愛し、三人の関係と、本人たちも「プライベートで滅多に話したことがない」という《芝居》についてメモしておきます。

新井「ウチ、正直(この番組のことよく)知らないんだけど、ちらっとしか見たことないんだけど見たことある? 柄本家出たって聞いたんだけど」

高良「柄本家も出たらしいし奥田家も出たらしいですよ」
新井「え? サクラ?(笑)」
高良「サクラさんとお父さんと…」
新井「なるほどねえ」


松田「結構、新井くん久々かな」
新井「あれ?」
松田「年末?」
新井「年末か? いや、今年会ったよ絶対どっかで」
高良「この前3人で呑みそうな機会はありましたけどね」
新井「ウチが龍平とかと遊んでたとき?」
高良「龍平さんと瑛太さん*1と呑んでて」
新井「翔太の家で呑んでて」
松田「ニアミスね」
高良「ヘンな会だったですけどね」
松田「なんか若手俳優勢揃いで」
新井「メンツ聞いたらすごかったね。かたやウチと龍平と瑛太3人でしっぽり呑んでて」
松田「参加したかったけど」
新井「(笑)」


松田「俺が新井くんと(初めて)会ったのは、新井くんが『青い春』やってて…」
新井「実家に遊びにいったときに…」
松田「眉毛もなくて」
新井「ちょっと生えかけで(笑)」
松田ツーブロックで」
新井「そうそう。で、翔太まだ高校生?中学生?」
松田「高校1年・・・か」
新井「髪型凄かったもんね」
松田「そうだね(笑)」
高良「どんな髪型だったんですか?」
新井「なんかイカツい…。あの頃ナニ?」
松田「ブレイズっていうかドレッドっていうか」
新井「すっげえイカツい感じの。(二人を指さし)ここは?」
高良「ボクは翔太君はこの現場が初めてです」
松田「衣装合わせで」
新井「やる前の?」
高良「はい。新井さんから『翔太こわいぞぉ』って」
新井「(爆笑)」
松田「ナニ言ってんの?」
新井「いや、翔太は恐いよ。気合い入ってるから」
高良「『翔太は恐いから、何か失言して殴られないように』みたいなこと言われて、『そんな感じなんだ』って結構ビビってた」
新井「殴られはしないけど…」
松田「殴りはしないよ」
新井「すごい気合い入ってるってイメージは・・・ある」

新井「同世代ってさ、歳同じ俳優っている? まったく一緒っている?」
松田「同い年は女優さんが多いかな。宮崎あおいさんとか」
新井「そうなんだ。ウチ、ほんとの同い年は、麻生の久美ちゃん
松田「“麻生の久美ちゃん”って(笑)」
新井「あとはまったく。男では会ったことないね」
高良「いちいち年齢見ないからわかんないですね」
新井「でも同世代っていうとここ(ふたりは)一緒なの?」
松田(ふと物陰に何かを発見し、笑いをこらえた顔で新井を見る)
新井「なに笑ってんの?」
松田「俺、あそこから顔だしてる安藤サクラちゃんと同い年だわ」
物陰に身を隠しながらしゃがんでトークの様子を伺ってる安藤サクラ
新井「ああ、なるほどね。ただ、こないだご実家の方に行ってサクラのお父さんお母さんに初めて会ったんだけど、お父さんが来て会話したけど最初から最後までずっとウチのこと“吉田クン”って呼んでた。(場内笑)」
高良「え? なんで吉田クンなんですか?」
新井「いや、わかんねえ。ずーっと吉田クンって呼んでた」
松田「吉田クンっぽい」
新井「吉田クンっぽい? 奥田(瑛二)さんはずっと最初から『あ、吉田クン』って言ってて『いえ、新井です』ってやりとりが。(場内笑)」
高良「わざとじゃなくて?」
新井「たぶんわざとじゃないと思う。・・・わかんないけど」

松田「影響を受けた人とかいたりするんですか?」
新井「たぶんウチは浅野忠信さん。・・・たぶん。たぶんっていうかほぼ・・・かな?」
松田「確かにそうッスね」
高良「確かに。ボク、いろんな人に影響受けてますね」
松田「オレもいろんな人に影響受けてる」
新井「いや、ウチもそうだよ。なんか仲間外れみたいな・・・」
高良「いやいやいや!ゴメンナサイ」
新井「(笑)」
松田「それはもう間違いないっていうか」
新井「影響受けたっていうか」
松田「観たい映画に浅野くんが出てたっていうか」
高良「浅野さんが出てるから見ようって、自分が役者する前からそうやって見てたし、新井さん30歳じゃないですか?」
新井「うん」
高良「で、そっからこの35歳ってその世代の人たちってボクの中ではすごい影響を受けた人たちではある」
新井「ああ」
高良「映画で第一線でやってきて、ヌルいことしてなくて、その人たちがやってる映画ってやっぱりその人たちが出てるからって感じで見てたし」
松田「そういう人になりたいね。だからなんか自分が子供できたりとかして、小学校とか入ったときになんの苦労もなく自分が出てる作品を見せれたらいいなって思ってて」
新井「うん」
松田「ヒーローじゃないけど、そういうエンターテイメントもできるようにしたいし、それが映画でもテレビでもいいと思うんだけど」
新井「なんだろな。考え方の一個なんだけど、みんなおのおの違うんだろうけど、ラインっていうのがあって、台本読んだときに自分でここのラインっていうのがあって、監督の思うラインがあって・・・その役に対する。でもウチは毎回その監督が思うラインの上をいきたいわけよ。で、下だったら演出が入って『いや、いまの違う』っていう誤差埋めになるんだけど、(監督の上にいって)してやったり!の時ってあった?」
松田「今回撮影しててもそうなんだけど、『本番!』って言って演技して『カット!』ってかかると『あれ?オレどういう風に演技してたっけ』ってなって、監督に『オレいまどういう風に演技してたか忘れちゃったんですけど』って言ったら『いや、それでいいんじゃない?』って、『むしろ忘れていい』って言われて」
新井「なるほどね」
松田「無意識っていうか。サッカーしてるときもそうだし、トモダチと楽しいときってああでもないこうでもないって思い出話をスゲエしてて、その瞬間って何も考えてないっていうか核の部分でしか話してなかったり、スポーツでもそうだけど、ボールがファーって行ったからファーって(取りに)行って、走ったり蹴ったり。それって自分で意図してないから、そういう風に出来た瞬間っていうのが一番気持ちいいっていうか、勉強でもそうだけど、集中してるのかもしんないし楽しんでるのかもしんないんだけど、でもそれが出来た瞬間っていうのが一番気持ちいいかなって思う」
高良「なんか、飯喰ったり、お茶飲んだり、座ったり立ったり、ある意味《基本》じゃないですか。人間として、立つ、歩くとか、息をするとか。それがカメラの前に立つとそこに意識がいっちゃって『どうやって自分、飯喰ってたっけ?』とか『どうやって水飲んでたっけ?』とか『どうやって立ってたっけ?歩いてたっけ?』とか、「立つことが難しい」みたいな。そうじゃなくて当たり前のことがすごく当たり前にできたらいいなあみたいな。結構ボクの中では究極なんですけど、こういう風に喋ってても、いま何も意識せずにコトバが出てくるんですけど」
新井「役じゃないしね」
高良「役じゃないし。芝居になると、台詞があってカメラが目の前にあって人がいると、なんか意識しだすじゃないですか」
新井「うん、わかる」
高良「もしここらへん(=指先)を意識し出したらここらへんが震え出すじゃないですか?」
新井「いや、震えはしないけど(笑)」
高良「ボク、緊張すると震えちゃうんですけど」
新井「じゃ、いまここ芝居でなんかの役でこうなって(=3人で座って)たら、絶対(お茶に)手を付けないね。監督が『飲め!』って言うまで。それやると不自然になるの知ってるから、そこで『飲んで』って言われるまでこんなの絶対手をつけないで(手を組みながら)普通にこう喋ってて。飲むとやっぱ、さっき言ってたけど『どうやって飲んでたっけ?』って」
高良なんか意味があるみたいな気がして
新井「そうそうそう! すごいわかるはそれ」
松田「俳優業って音楽もそうだけど、その時代を象徴する気持ちとか表現の仕方とか人間のあり方とか男としての居方とか、そういうのを文化にできる職業だと思うから、それが2010年代とかでもいいし、なんか80年代の映画とか70年代の映画とかっていろんな人が言うけど、俺ら全然わかんないっていうか、俺はぶっちゃけわかんないっていうかリアルタイムに感じれてないから、そういう今現在進行形で動いてきてるものを人間の表現として感情を伝えれたらなって思って」
高良「口に出して言うのはすごい恥ずかしいんですけど、死ぬときに『良かったあ』って思える人生だったらいいですね。役者やってて」
新井「ああ(と大きく頷く)」松田「うん(と小刻みに頷く)」
高良「それが自分の中ではまた究極なんですけど・・・」
松田「(ちょっと反省顔で新井の方を向き)演技の話とかってあんまりしなかったもんね」
新井「ね!」
高良「こういう風に芝居の話をするっていうのがないですもんね」
新井「酒のときでも絶対しないじゃん。趣味の話だよね。ゲームとかさ、女性の話とか」
高良「こういう風にカメラを向けられると」
新井「すごいこっぱずかしいね」
と言いながら、照れ笑いを浮かべて下を向く三人でした。

「日常の自然な動きが一番難しい」という話は、『ナースのお仕事』トリオが出演したときも言ってましたね。

翔太はやっぱしっかりしてるよ。あんま何やっても動じないっていうか非常に硬派な男です。喋る間が微妙にGACKTっぽい。高良君は照れもあるんだろうけど終始にこ〜って笑っていたのが新鮮でした。なかなか役で見ないですからね。そういう笑顔は。ひたすらピュアな男でもありました。しかし新井くんは結局いつもオイシイところを確実にもってくんだよなあ。奥田さん、何故“吉田クン”なんですか?



*1:この3人は映画『青い春』以来の仲良しさんです。