『密約〜外務省機密漏洩事件〜』まもなく公開(4/10〜5/7まで)

『密約〜外務省機密漏洩事件〜』 4/10(土)〜5/7(金)まで


【監督】千野皓司【脚本】長谷川公之【撮影】斉藤孝雄【テーマ音楽】クロード・チアリ
【出演】北村和夫/吉行和子/大空眞弓/磯部勉/永井智雄/滝田裕介
100min/1978年
□上映館:新宿武蔵野館銀座シネパトス(4/30まで)


【作品概要】普天間基地の移転先などをめぐり、いまだに混迷が続く沖縄問題。その裏には日本とアメリカの間に交わされた《密約》により、返還費用などの処理問題がうやむやにされてきた事実があった。日本政府は国民に真実を告げなかったばかりか、その事実を報道しようとした新聞記者と外務省事務官を国家公務員法違反で裁いた。記者は1審では無罪になったが、高裁で逆転判決が下り、最高裁で「秘密を洩らすようそそのかせた」罪で有罪が確定した。日米間の密約をめぐる政治責任が「情を通じ…」の起訴状で男女の問題にすりかえられ、政府は「密約などはない」とシラを切りとおしてきた。真実を報道しようと取材源に密着した記者は記者生命を断たれ、取材に協力した女性事務官は職を失い、家庭は崩壊した…。
本作はノンフィクション作家の澤地久枝氏が裁判を傍聴し続けて書いた原作を、千野皓司監督がテレビ朝日開局20周年記念番組として1978年に製作した力作。民放テレビではタブーとされた政治問題を扱った作品としても反響を呼び、日本テレビ大賞優秀賞を受賞したが、その後1度も放映されなかった。10年後の88年に一部の劇場で映画として公開され、モスクワ国際映画祭にも正式出品された。その後アメリカ側の文書が発見されて政府の欺瞞が発覚した。「国民の知る権利か」それとも「国家の秘密保護か」、激しく意見が対立した裁判の息詰まる描写を通じて、国家とは何かを問いかける渾身の作品。


関連:映画「密約」(mitsuyaku)公式ツイッター

1972年の沖縄返還をめぐり日米間で交わしたとされる密約文書の存否を最大の争点にした「沖縄密約文書開示請求訴訟」。その判決が明日4月9日に出るため、翌4月10日の公開に向け急ピッチで準備が進められたようです。公開に至る詳しい経緯は↓こちらを参照されたし。
78年のTVドラマ「密約 外務省機密漏洩事件」が、なぜ今、劇場公開されるのか?


予告編


密約―外務省機密漏洩事件 (岩波現代文庫)

密約―外務省機密漏洩事件 (岩波現代文庫)

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