今年のベスト映画は『マイマイ新子と千年の魔法』に決めました!

時間が無いのでとりいそぎご連絡。いける人はとにかく観に行ってください。ただでさえ上映館少ないのに、あまりに客が入らなくて公開2週目にして劇場は既に打ち切りモード。松竹直営の新宿ピカデリーですら明日(3週目)から1日2回上映に縮小(しかも午前2回って誰得よ?)という状況では、おそらく4週目で全国的にほぼ上映終わるんじゃないかと思います。文化庁メディア芸術祭賞もさあ、『サマーウォーズ』に大賞あげてる場合じゃないよ!(と思ったら9/25までに公開された作品が対象なのか。来年獲れるといいなあ。ちなみにどちらもマッドハウスの作品です) 


マイマイ新子と千年の魔法』(片渕須直監督)という作品が、記憶にも記録にも残らず埋もれていくにはあまりに惜しい。口惜しい。歯がゆい。ふがいない。というわけで久しぶりにちょっと頑張ってみます。


私が観てきたのは新宿ピカデリー。客は15人ぐらい? ここ十数年全く新作を撮ってくれない高畑勲*1の後継になりそうな臭いが予告からプンプンしてきたので観てきたわけですが、これが思いのほか、いや想像以上にすんげえ良かったです。ここのところ金がなくて観たかった映画をいろいろと断念してきただけに、久しぶりに都心まで出てきて観た映画が大当たりで大満足。やっぱ映画っていいもんですね〜(しみじみ)。でもこの作品の良さを言葉にするのはほんとに難しい。なんせストーリー的にはこれと言って特筆すべきものがあるわけでもなく、前半1時間はただひたすら子供たちが楽しく遊んでる姿を延々と描写してるだけ。ファンタジックなことなんて何も起こらないし、ドラマチックな展開はクライマックスにちょこっとあるだけで、これまでの経験値からすれば「『マイマイ新子〜』は、自分の子供時代を懐かしみつつ、こどもたちのかわいらしさ、純粋で健気な姿にちょっとうるっときてほんわかあったかくなる映画です」ぐらいの評価で終わるはずなのに、これが想像以上に…というか自分自身当惑するぐらいに感動しちゃったんですよ


もう久しぶりですよこんな経験。クライマックス以降はわけもなく涙が溢れて(そのとき映ってた映像は全然泣かせるエピソードじゃないのに…ていうか別にそのエピソードに感動して泣いてるわけじゃない>じゃあ何に泣いてるの?>知らん!こっちが教えてほしい)、コトリンゴさんの歌うエンディングテーマがあまりにこの映画を表しているもんだから更にダメ押しされて、「気持ちが落ち着くまで街中歩けない!」としばしトイレにこもるはめに(とほほ)。なのに、なんでそんなに心揺さぶられてしまったのかその理由がうまく言葉にできない…というか、いくら考えてもよくわからんのです(汗)。説明がつかないんです。だってぶっちゃけそこまで感動するような話じゃないんですよ(爆)。と思って誰かうまいこと言葉にしてくれないかなと速攻検索かけてみるものの、みんなして↓このありさまじゃダメじゃん!

「マイマイ新子と千年の魔法」に出会った!(@挑戦者ストロング)

長々と書いておいてアレなんだが正直言ってこの映画、オレの中で全然うまく整理できていないのだ。どうにも気になって劇場で2回観たが、まだよく判らない。この映画のクライマックスとなった一夜はあまりにも特別で、まるで魔法そのものだ。映画の魔法がこの夜にかけられている、そうとしか思えなかった。柔らかい手で心を揺すられて、ちょっと記憶にないほど感動して涙がこぼれているのに、なんで感動しているのかちっとも判らないのだ。

はてなブックマーク-「マイマイ新子と千年の魔法」を迷わず見に行ってほしいんですよ!!!! - たまごまごごはん

makaronisan もっとマイマイ新子の感想が読みたい。あのぼろぼろ流れた自分の涙の意味を知りたい。

『マイマイ新子と千年の魔法』70点(100点満点中)(@超映画批評)

批評家としては一番まずい事なのだが、この映画で私は大いに感動したものの、その理由がわからないという状況に陥った。つまり、説明はできないが、とにかく心を打たれたのである。

というわけでほんとに心からお願いします。誰か見て確かめてきてほしい。一体この映画はなんなのかと。言語以外、物語以外の何がこんなにも心揺さぶってくるのか、見て、感じて、論理的に納得のいくように説明してほしい! よろしく頼んだよ! 


とりあえず「まーたeichiさんのいつものアレが始まったよ(何度だまされたことか)」と思ってらっしゃる方にはもっとちゃんとした人の激賞レビューもご紹介しておきますのでご安心を。
「マイマイ新子と千年の魔法」を迷わず見に行ってほしいんですよ!!!!(@たまごまごごはん)


↓こちらはレビューおよび関連記事リンク集(09/12/10追記)
「マイマイ新子と千年の魔法」個人サイト感想リンク集〜なんでぼくは泣いているのか教えてくれ〜(@たまごまごごはん) 
マイマイ新子と千年の魔法(2009/日) CinemaScape−映画批評空間−レビュー一覧
Yahoo!映画「マイマイ新子と千年の魔法」ユーザーレビュー


とは言っても、ネット上には「良作」「傑作!」と激賞する人から「いまひとつ」「そこそこ」「肩すかし」という人まで幅広くいろんな感想が上がってるんで、これからあげる動画のどれを観てもピンとこなければよしといた方がいいかもしれません。何度もいいますが、魔法使いもでませんし、タイムスリップもしませんし、ドラマチックなこともたいしておきませんし、ストーリー的には特にこれといってなんてことないですから。ドラマで言うなら、マイナーな喩えで申し訳ないんですけど、田舎のじいちゃんとばあちゃんがカメラの中古市に行くため東京に出てきて、カメラ買って、孫娘の家に一泊して帰るだけ…という脚本を映像化したNHKスペシャルドラマ『お買い物』みたいな感じなので、そういうのが苦手な人は退屈して終わる可能性が高いです。


あ、でもこの曲はそんな人でも気に入るかな。この映画そのものなコトリンゴさんの書き下ろし主題歌です。
コトリンゴ「こどものせかい」

こどものせかい

こどものせかい

  • 発売日: 2012/09/07
  • メディア: MP3 ダウンロード
映画もこんな感じの雰囲気なんです。残念ながらサントラには入ってないらしい。劇中で流れる音楽もいいんですよ。女性ボーカルのスキャットを幾重にも重ねたものでとっても心地いい。


ちなみに本作はガール・ミーツ・ガール映画でもあります。女の子たちがほんとにかわいらしいのでその手の映画が好きな人には超オススメ! 雰囲気だけでも感じたい人は↓こちらの動画を参照されたし(リンク先下段の「動撮」という動画をクリック)。
でこぴん新子と貴伊子 | 麦畑を走る新子と貴伊子


というわけで何度も言いますが、この映画はあと1,2週で終わります!(追記:都内関東では12/18(金)までだそうです(監督のmixiより)。ムーブオーバーの予定はいまのところありません) だからちょっとでも気になった方はなんとかお時間を作って速攻観に行っていただきたい。もしくはどこぞの太っ腹な侠気あふれる劇場主さん! 「1週でもよければうちで引き継ぐよ!」と名乗りを上げていただけると非常に助かりますのでご検討のほどよろしくお願いいたします(できればレイトショーで。勤め人に朝の1回上映のみというのはきつすぎます。ちなみに1回5〜10人程度しかお客さん入らないかもしれませんがその点だけはあらかじめご了承くださいませ。宣伝についてはこちらも尽力させていただきますので。)


マイマイ新子と千年の魔法」90秒プロモーション映像

公式サイトはこちら→http://www.mai-mai.jp/


ていうか、宣伝スタッフ。↓この動画まであげちゃってるのか! いいのかよ?!w
マイマイ新子と千年の魔法」まるごと見せます(小さな事件) | 「マイマイ新子〜」まるごと見せます(冒頭5分)

光子かわええ。まあ、こんな感じのが冒頭から1時間ぐらい延々と続くのです。そんな映画です(笑)。ちなみに声優陣を紹介すると主人公の新子が福田麻由子ちゃん、お友達のきーこが水沢奈子ちゃん(これが上手いのよ!)、そして新子の妹・光子が既に声優としてはかつての神木くんクラスになってる子役の松元環季ちゃん(「河童のクゥと夏休み」でも主人公の妹・ひぃちゃん役で出てますね)、お母さん役は(方言で全然わからないだろうけど)本上まなみさん(!)。そしてここには出てきてないけど、平安時代の少女役で森迫永依ちゃんが出演しております。


尚、現在上映中の映画館はこちら。東京・神奈川・千葉の12/5(土)以降のスケジュールを抜き出すと以下の通りです。

■東京

新宿ピカデリー 9:20/11:30の2回上映。12/12以降は9:40の1回のみ。(上映は12/17(木)まで
ワーナー・マイカル・シネマズ板橋 9:25/11:35の2回上映。12/12以降は9:00の1回のみ(上映は12/18(金)まで
MOVIX亀有 9:50の1回上映(上映は12/11まで
MOVIX昭島  9:40/12:40の2回上映(上映は12/11まで
ワーナー・マイカル・シネマズむさし野ミュー 10:15/15:35の2回上映。12/12以降は10:15の1回のみ(上映は12/18(金)まで

■神奈川

川崎チネチッタ 9:45の1回上映(上映は12/11まで
TOHOシネマズららぽーと横浜 9:00の1回上映(上映は12/11まで
MOVIX橋本 18:20の1回上映(上映は12/11まで

■千葉

MOVIX柏の葉 10:00の1回上映(上映は12/11まで
エクスワイジー・シネマズ蘇我 9:00の1回上映(上映は12/11まで


注意:関東での上映は12/18(金)までになりそうです。現在1日2回上映となってる劇場も来週12/12(土)以降より上映回数が更に減らされる可能性があるので行ける方はお早めに!

◇追加上映(12/8追記)

12/19(土)〜12/26(土)までの8日間
ラピュタ阿佐ヶ谷 21:00の1回上映(席数50席・整理券制)※詳細

お!橋本は18:4018:20の回があるのか。ちなみに舞台となった山口県防府市にあるワーナーマイカル防府は12/5以降も1日6回上映だそうです(うらやましい)。防府の映画館で観てみたいなあ。ていうか遺跡巡りを兼ねたロケ地めぐりがしたいなあ。


-追記('09/12/7)-
ここ数日の口コミパワーでようやく知名度があがってきた本作ですが、現状では上映劇場の少なさ、放映時間帯と客層のミスマッチ(朝の回のみでは学生や勤め人は土日しか見られない)、残り1,2週間という上映期間の短さにより、これ以上の動員増加をはかるのは難しい状態。見たくても見られない人が多数存在するという事態をなんとかしたいということで、上映延長に向けての署名活動が12/7(月)よりスタートすることになりました。現段階では上映終了自体は避けられないかもしれませんが、早期再開or二番館探しに向けて第一歩を踏み出したようなので、少しでも本作に興味を持たれた方は↓こちらのブログもチェックしてみてください。
『マイマイ新子と千年の魔法』続映にご協力を!:550 miles to the Future(フリーライター廣田恵介氏のブログ)


↓こちらがその署名サイト。皆さんのコメントを読んで興味を持たれた方は是非署名の方もよろしくおねがいします(追記:署名期間は2/28まで)。
http://www.shomei.tv/project-1385.html



※当ブログの『マイマイ新子〜』関連記事一覧はこちら


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でも、思い切って新宿まで行ってホントに良かった。ミスターありがとう!(何故かというと「水曜どうでしょう」の“ミスター”こと鈴井貴之監督の映画『銀色の雨』がシネマート新宿でやってて、これを観に行くついでに「他にもなにか新宿で観れるやつないかなあ」と探してるときに「あ!そういえば」と思い出し急遽チョイスしたから)。『銀色の雨』も原点回帰の地味目ないい映画に仕上がっていて大満足の一日でした(しかもロケ地となった米子や鳥取の風景が実に素晴らしかった。いつか行きたい)。


ちなみに現在テアトル新宿で『東のエデン 劇場版I The King of Eden』が上映されてるので、そのついでにちょっと早起きして新宿ピカデリーで『マイマイ新子』を観るっていうのもいいと思います。私は東のエデンがやってることをうっかり忘れていたので運良くマイマイ新子を観ることができました(他にも新宿で用事があったのでこっちを選んでたら絶対観てなかった)。


-追記-

マイマイ新子と千年の魔法 [DVD]

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  • 発売日: 2010/07/23
  • メディア: DVD
マイマイ新子」のBlu-rayこちらからどうぞ(特典満載で「この世界の片隅に」のパイロットフィルム付きです)。


関連:『マイマイ新子と千年の魔法』関連過去記事一覧 | 『この世界の片隅に』関連過去記事一覧


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*1:ようやく新作撮るらしいですね。