大駱駝艦公演『G.は行く』を観た(@世田谷シアタートラム)

三軒茶屋のシアタートラムに大駱駝艦の舞台『G.は行く』を見に行ってきました(公演は今日まで)。暗黒舞踏初体験。いろいろと面白かったです。若い躍動感溢れる女性の踊り手の中に爺(G)がひとりといった構成だったせいか、時にしょぼくれた老体をさらし、時に男性性を誇示するさまが、雄々しくもあり滑稽でもあり、今作での麿さんはなんだかフレディ・マーキュリーみたいでした(歌いたいんじゃないのかとさえ思った。笑)。踊ってる最中におしろいってあんなにも空中に舞いあがるんだね。席が前の方だったので一人一人の細やかな表情や筋肉の動きは堪能できたけれど、全体を俯瞰で観られなかったのが残念。かなり傾斜のある座席配置だったんで次に行くときはもう少し後ろの席にしようっと。


そもそも今回の公演に足を運んだのは大駱駝艦ドキュメンタリー『裸の夏』を観たことがきっかけであり、2月に『シンフォニー・M』という男性だらけの公演もやってたらしいんだけど、舞台関係の情報にはほんとに疎いので全然気づかず…。今回は運良く見つけることができて滑り込みセーフだった。んで、一番のお目あては主宰者である麿さんの踊りだったはずなのに、始まってみたら麿さんよりもヒロイン的な立ち位置で踊ってた女性に目が釘付けになってしまい「うわあ。この人すごい! もっと見たい。メインで踊ってくれたら絶対観に行く。でも名前がわからない」と思って調べてみたら小林裕子さんという方だった。なんというかね、白塗りの裸の上につま先まで隠れる黒のロングドレスを身にまとい、長い黒髪を片側だけ日本髪のように結い上げ、薄く歯が見える程度にニヤ〜と微笑み立つさまがなんとも言えず“幽霊”的で(笑)、大勢の踊り手さんの中でひとりだけ実体感がないの。存在感はあるのに別撮りで合成したかのように姿がおぼろげで麿さんとはまた違った異彩を放っている。しかも彼女、両手を広げてゆらりゆらゆらと身体をくゆらせると地面から足が離れて浮いてるように見えるんだよね。そんなことあるわけないんだけど。「もしかしたら私の知らないところで既に幽霊役やってたりしてるのかしら」と思ったら、オムニバスホラー映画『コワイ女』の一編「カタカタ(雨宮慶太監督)」に出てた赤い服の幽霊(というか死神というかバケモノ)を演じていた人だった!
「コワイ女」小林裕子インタビュー
でも今回の公演で魅せてくれたのはカタカタとは真逆。歌舞伎と能ぐらいの違いがあった。


ちなみに小林さんは、同じく大駱駝艦の田村一行さんと共に、初代よりゲーム『SIREN』で屍人のモーションアクターとして活躍しているそうです。
http://www.famitsu.com/blog/siren/1217034_1800.html
すごい顔(笑)。舞台の上では綺麗な人ですよ。


「カタカタ」の幽霊(?)は豪快“バケモノ”系だったんで、今度はもっと静かな動きを求められる役でも観てみたいです。


尚、大駱駝艦に興味のある方は以下のような公演が今後控えておりますので参考までに。

大駱駝艦 壺中天公演 向雲太郎『2001年壺中の旅

2009年12/16(火)〜12/23(水・祝) 会場:壺中天

大駱駝艦 壺中天公演 我妻恵美子『煩悩カケル』※詳細は後日こちらにUP

2010年1/26(火)〜1/31(日) 会場:壺中天

大駱駝艦 壺中天公演 奥山ばらば『さぐらんぼうい』※詳細は後日こちらにUP

2010年3/16(火)〜3/22(月・祝) 会場:壺中天


それから大量にちらしをもらったんだけど(あいかわらずすごい量。重いってw)、山海塾の公演もあるみたい。

山海塾公演 天児牛大卵を立てることから 卵熟』(「フェスティバル/トーキョー09秋」)

2009年12/4(金)〜12/6(日) 会場:東京芸術劇場 中ホール

東京では8年ぶりとなる再演だそうです。