プロレスラーの生き様を描いた映画『レスラー』を観に行ったら、その日の試合でプロレスラー三沢光晴が亡くなってた・・・

まだ若いのに闘病でもしてたのかと思ったら↓こんなことになってたとは・・・

プロレスラー:三沢光晴さん死亡 試合中倒れる 広島(@毎日新聞)


13日午後8時半ごろ、広島市中区基町の広島県立総合体育館であったプロレスリング・ノア広島大会で、試合中にノア社長でプロレスラーの三沢光晴さん(46)が倒れ、心肺停止状態で広島大学病院に救急搬送された。県警広島中央署によると、同10時10分に死亡が確認された。同署は主催団体や対戦相手などから事情を聴いている。


 大会関係者や観客によると、三沢さんはこの日タッグマッチに出場。相手のバックドロップを受けて頭を強く打ち、動けなくなった。レフェリーが三沢さんに「動けるか」と聞いたが、三沢さんは「動けない」と答えた。試合はそのまま中断。医師だという観客の男性が自動体外式除細動器(AED)で蘇生を試みたという。当時、約2300人の観客がいた。

私、今日、ミッキー・ロークが老いてボロボロになった身体でリングに上がる中年プロレスラーを演じた映画『レスラー』を観てきたのですよ。『ロッキー・ザ・ファイナル』みたいな映画だと思ったら全然違いました。予告に騙されました。

ご覧の通り、この映画に出てるミッキー・ロークにハリウッドスターとして持て囃されていたかつての面影はありません。どっからどう見ても老いたプロレスラーにしか見えない彼をドキュメンタリータッチで撮り続けていた本作は、さながら実在するプロレスラーを追ったドキュメンタリー映画のようで、場外乱闘で客が危ない凶器を差し出せば「ばか!なにすんだ!空気読め!」と本気で心配したし、彼が痛々しい姿をカメラにさらすたびに「もうリングに上がるのはやめてくれ!お願いだからマジで引退してくれ!」って本気で願わずにはいられなかった。普段客として試合を見てるときはそんなこと全然思わないのに、この映画を見てるときはフィクションだということすら忘れて自分がホンモノのレスラーの家族にでもなったような気分で本気で「もうやめてくれ!」と思って見てたのですよ。それぐらい本作には、レスラー本人よりもそれを見守りリングへと送り出す家族側の気持ちを疑似体験させられて、見終わってからもずっと「事故や病気からの復帰第一線をリングサイドで見守る家族はいつもどんな気持ちで見てたんだろう」とか「いまの自分みたいな気持ちだったんだろうか」とか「自分だったらとてもじゃないけど正視できない」とか「プロレスラーとかボクサーとか格闘家の家族ってこんなことを受け入れて生活してるのか」「強靱だな」「マジきっついわあ」とかそんなことを悶々と考えながら家に帰ってきたらこの一報ですよ。


改めてプロレスって身体はったエンターテイメントだなと、命がけの危険なエンターテイメントだなと思ったし、三沢選手には心より敬意を表したい。そしてレスラーの皆さん、どうか御自愛ください。本当に。やっぱリングの上では死んで欲しくない。



映画「レスラー」公式サイト
劇場・上映館一覧(東京は渋谷・日比谷・池袋・立川・吉祥寺の5館)


-追記-
『レスラー』って映画の結末が自分にとってことのほか“重かった”のはたぶんこういうことなんだと思う。

映画 レスラー(@とりあえず日常)
ファンの声援に応え続けて
死んでしまったレスラーを
昨日の晩に知ってしまった身としては
とてもじゃないけど
いい映画だったとか言って
のんきに泣いてはいられない


ファンが辞めろというまでリングに上がるなら
そのリング上でレスラーが死んだら
殺したのはファンになっちゃうよ
勘弁してくれ

追記:当初はリンクだけにしていましたが、一部抜粋しました。上記リンク先は2015年5月を最後にブログの更新が止まってるので読めるうちに全文読んでおいてください。『レスラー』を観て「内容が重すぎてしばらくは見返したくない」と思ってる人にはとても共感のできる感想です。↓下記リンク先も記事タイトルから推察されるように皆「リングでは絶対に死んで欲しくない」という思いから感想を綴っていましたが、残念ながら既に閉鎖されて現在は読むことができません。

三沢光晴が亡くなってしまったこと(@あなたも一週間で20cmに!〜 Nakamyura Recital 改)
頼ム、プロレスよ、まだ死なないでくれ… 『レスラー』(@瓶詰めの映画地獄 2009)
スポーツ見るもの語る者〜フモフモコラム:三沢光晴さんの死を、今後のプロレス界には絶対に生かして欲しい件。