足利事件ってあの事件だったのか!

・・・いまごろ思い出したよ。足利事件って宮崎勤事件の直後に起こったあの連続幼女殺害事件のことだったのか。そういや当時興味があって新聞記事の切り抜きを集めてたなあと思い出し、学生時代のノートなんかが詰まってる段ボール箱を押し入れから引っ張り出してきたら、記事数点と共に当時のワイドショーを文字起こししたノートが出てきた。文字起こしした記憶はなかったんだけど、読んでみたら、勤め先や近所の人の証言はもちろん、犯行現場の位置関係を表した地図や、容疑者とされた男性が当時借りてた別宅の見取り図、押収物や犯行時の目撃情報とか全部書いてあって、そんなことまで書き留めてる自分すげえ!っていうかきめえ!って思いました(汗)。しかしこれが覆ったのか。すごいな。


読み返すといろいろ興味深い。当時の状況としては「容疑者の男性は取り調べに素直に応じて自供してるが、ところどころ供述があいまいで目撃証言とも食い違う。物証もなかなかないため捜査本部は苦労してる」って感じだったんだよね。レポーターからも「殺害の瞬間については鮮烈に覚えていてそれを話している。しかしその前後に関してはあいまいな点が多い」なんてことまで言われてたりして。『イタズラ目的』と言う割には押収したアダルト関係の雑誌やビデオも成人を対象としたものばかりで幼女ものはなく(追記:少し訂正。第一報では少女写真を多数発見って書いてあった)、また殺害を自供した3つの事件のうち1件は物証がなく不起訴になっており、もう1件も難しいかもってなっていた。


今回DNAの再鑑定で犯人とは別人と判断されたわけだけど、警察がどういうやり方で容疑者となった男性からやってもいないことの供述を引き出したのかは気になるところ。朝に任意の事情聴取を始めてその日の夜には落としてるし、「真実を話す勇気がなかった。被害者の霊に申し訳ないと詫びる決心がついたので正直に話します」とまで言わせてる。まあそこらへんの詳しいことについては、そのうちNNNドキュメントテレメンタリー(もしくは報道発ドキュメンタリ宣言)あたりでやってくれるだろうから期待して待ちたいと思う。


-追記-
「やってません」13時間…菅家さん、絶望の「自白」(@読売新聞)
足利事件:警察庁も検証へ 調査チーム発足(@毎日新聞)


-追記-
足利事件当時の新聞報道(@どうにもならない日々)
当時の読売新聞の記事をUPしてくれてる人がいました。うちには東京新聞の記事があるんだけど、同じことを書いてるはずなのに読売新聞の方がかなり扇情的になってて読み比べてみると面白い。内容が微妙に違うのも気になるところ。あと、東京新聞もそうなんだけど、DNA判定につかったものを表すときに「体液」「毛髪」「体毛」「だ液」と記事によって表記をころころ変えるのは紛らわしいのでやめてほしい。「体液」って書くと「精液」っぽいく聞こえるけど東京新聞を最初から順に読んでくとどうもそうじゃない。「毛髪、体毛、だ液」をまとめて「体液」の一語で表記しちゃってるっぽいんだよね。まあここらへんは後日改めてやりますわ。


朝日や毎日の記事を持ってる人はいないんだろか。全部揃ったら面白いのに。


-追記-
足利“えん罪”事件に関する詳細なルポルタージュこちらのpdfファイル)のp.5-7によると鑑定に使用したのは「精液」「だ液」となっている(毛髪、体毛はどこへ?)。それからp.9にも興味深いことが。事情聴取が行われる12/1朝刊で容疑者が特定されたことを大々的に報じたのは読売・毎日・朝日の大手3社。地元新聞・産経・共同通信その他は完全にすっぱ抜かれた状態だったという。うちにある東京新聞も12/2以降の記事しかないのでかやの外に置かれた側なのか。


-追記-
担当弁護士が当時のDNA鑑定の問題点と再鑑定の詳細について語った超ロングインタビュー。
<「足利事件」とDNA鑑定>佐藤博史弁護士に聞く 
こちらでも犯人側のDNAは「被害女児のシャツに付着した残留精液」を用いて鑑定を行ってる(容疑者とされた男性の方は不明)。


-追記-
足利事件に関する非常に詳しいまとめサイトを発見(松山大学法学部で教授をされてる方のサイト)。ありがたいことに事件当時(12/1)の読売、朝日、毎日の記事も掲載されてる。
足利事件
それから↓こちらは同時期に起こった福岡の女児殺害事件のまとめサイト(↑と同じサイト)。発見当初の新聞記事が何故かうちにあって、ちょっと引っ掛かるところがあるのでこちらも捕獲しとく。
飯塚事件