J事務所が映画公式サイト上での写真掲載を容認するに至るまでの道程を調べてみた

少し前に「ジャニーズタレントの写真風イラストがネットに掲載され始めたのって結構前からだよね」という記事をあげたことがある。「どの作品から解禁され始めたんだろう」という問いに「ジャニーズ関連会社が制作に名を連ねる様になってから見かけるようになった」というコメントをもらったので、せっかくだから一通り調べてみることにした。


まずはここ数年、Jタレントが出演してる映画の製作委員会に必ずといっていいほど名を連ねているジャニーズ関連会社「J-Storm」と「J-dream」の違いについて軽くまとめてみたいと思う。

ジェイ・ストーム(J-Storm)公式

 2001年設立。嵐(=storm)のプライベートレーベルとしてスタート。
 02年以降、嵐、V6を中心に所属タレント主演映画を年1本ペースで自主製作・配給。
 ジャニーズ所属タレント(SMAPより下の世代)主演映画をアスミックエースや大手各社と共同製作。

ジェイ・ドリーム(J-dream)公式

 2005年6月17日設立。SMAPメンバーの映画製作に他社と共同で取り組む。
と 07年には海外アニメーションの配給にも携わる。


関連:ジェイ・ストーム、自主製作映画も着実に拡大(@文化通信.com)

改めて調べてみると、J-dreamはSMAPだけなのね。いままでかなりごっちゃにして使ってたなあ(反省)。ちなみに少年隊のヒガシもここ数年のうちに『MAKOTO(2005年)』『山桜(2008年)』といった映画に主演してるが、J-Storm、J-dreamのどちらも製作委員会に名を連ねてない。SMAPより上の世代の管理はまた別なんだろう。


J-Storm設立移行に製作されたジャニーズ自主製作映画(通称:J Storm Movie)。

■J-STORM製作・配給作品J Storm Movie

第1弾 嵐主演「ピカ☆ンチ」(02年10月東京グローブ座にて公開)
第2弾 カミセン主演「COSMIC RESCUE」(03年7月 品川アイマッックスシアターにて公開)
第3弾 嵐主演「ピカ☆☆ンチ」(04年3月東京グローブ座にて公開)
第4弾 国分太一堂本剛主演「ファンタスティポ
 (05年2月 東京グローブ座にて先行/渋谷シネクイントにて公開)

第5弾 V6主演「ホールドアップダウン
 (05年10月東京グローブ座にて先行/全国ワーナー・マイカル・シネマズにて公開

第6弾 嵐主演「黄色い涙
 (07年4月東京グローブ座にて先行/恵比寿ガーデンシネマほか全国順次公開


※○:公式サイト現存 △:公式サイト閉鎖(J Stormサイト内に一部移動)

余談だが、『ピカンチ』シリーズが堤幸彦作品でありながらジャニーズファン向けの「イベント上映」にとどまってしまったのは、その上映形態に問題があったといえる。東京グローブ座は通常芝居用の劇場として使われてる場所であり、事前の日時指定チケット購入が必要。それだけでも敷居が高いのに、02年にジャニーズ傘下となり、全国から熱狂的な女性ファンが押し寄せることが予測されるとなれば、興味をもったからといって一般客(特に男性客)が気軽に足を運べるような場所ではない(※『ピカ☆ンチ』はグローブ座での上映終了後お台場・フジテレビシアターモールへとムーブオーバーされたが、ここも一般の映画館ではない)。その状況を危惧したのか、4作目となる『ファンタスティポ』からようやく通常の映画館でも上映されるようになった。この作品も当初は東京グローブ座での単館上映にとどまるかと思われたが、主演の国分&堂本によって結成された期間限定ユニット、トラジ・ハイジがパルコのバレンタインキャンペーン・イメージキャラクターに起用されたこともあり、渋谷パルコパート3の8Fにある映画館シネクイントでも急遽レイトショー上映されることになった(※劇場サイトで告知されたのは上映の1,2週間前)。作品公式サイトでのタレント写真ならぬ「イラスト画像」が解禁になったのも(確認できる範囲においては)本作から。シネクイントは普通の映画館であり、ファン以外の一般客や男性客に足を運ばせるには絶好の場所であり、宣伝担当者が「主演俳優の写真が1枚もないのはアピール不足ではないか?」と思った…のかどうかは知らないが、トップページに主演二人のイラスト画像が置かれることになった。ドラマとは違い、自前で製作・配給している以上、興行面での損害は全て己に跳ね返ってくる。そのことを考えれば、まあ、当然の判断だと思われる。ちなみ当時シネクイントでは「特別上映」という扱いで公開された(当時の状況についてはこちらを参照されたし)。本格的な一般向け上映は次の『ホールドアップダウン』からとなる。
尚、『COSMIC RESCUE』だけ東京グローブ座で上映されてないのは、時期的に劇場の改装工事と重なったためだと思われる(02年〜05年の東京グローブ座公演日程はこちらを参照)。代替上映館となった品川アイマックスシアター品川プリンスホテル内にあるちょっと変わった形態の映画館で、同時期に近場でV6のコンサートが行われていたこともあり、「V6特別ご宿泊プラン」なるものを設けて宿泊客獲得に向け様々な提携サービスもおこなわれていた模様(※このあたりの詳しいことはジャニーズファンの方に訊いてみてください)。


一方のJ-dreamも昨年、海外アニメーションの日本語版制作・配給に乗り出した。

■J-dream制作・配給作品

草なぎ剛香取慎吾出演(声)「ストリングス(STRINGS)〜愛と絆の旅路〜」
 (07年TOHOシネマズ六本木ヒルズ先行/全国順次公開) ※写真
 ※J-dreamがデンマークで製作された人形アニメーションを買い付け吹き替え版を制作、エイベックスエンターテイメントと共同で配給した。

これはホントに謎で、何故これをJ-dreamが配給することになったのか詳しい事情を知ってる人がいたら教えて欲しいぐらい(昨今のチェコアニメ・ブームやジブリの海外アニメ配給に影響され、事業拡大および文化貢献のためその流れに乗ってみたってこと?)。この件については否定的な意見も目にするけど、個人的には良かったと思ってる。この手の映画がこれだけ大規模に公開され、海外アニメーション好きとは異なる客層の目に触れることはなかなかないので。



前置きが長くなったが、ここからが本題。


J-Storm設立以降に公開されたJタレント出演映画のタイトル(上記のJ関連製作・配給作品も含む)、および公式サイトにおける肖像画(イラスト、加工写真、写真)の使用有無を調べた結果は以下の通り。現時点におけるサイト有無は○△×で表しリンクも張った。既に閉鎖されてしまったサイトも多く、完全に調べきることができなかったのが悔やまれる(もう1年早く調べておけば・・・)。

■Jタレント出演映画一覧(公開年月/配給会社/★製作委員会への参加有無)

--02年--
嵐主演「ピカ☆ンチ」(02年J-STORM) ※画像なし
--03年--
カミセン主演「COSMIC RESCUE」(03年7月J-STORM) ※画像なし 
×岡田准一・櫻井翔主演「木更津キャッツアイ 日本シリーズ」(03年11月アスミックエース ★J-STORM) ※???
--04年--
嵐主演「ピカ☆☆ンチ」(04年J-STORM) ※画像なし
草なぎ剛主演「ホテルビーナス」(04年松竹・アスミックエース ★不参加) ※画像なし(共演者は写真)
×稲垣吾郎主演「笑の大学」(04年東宝 ★不参加) ※画像なし(共演者もなし?) 
×香取慎吾主演「NIN×NIN忍者ハットリくん THE MOVIE」(04年東宝 ★不参加) ※??? 
×木村拓哉出演「2046(洋画)」(04年ブエナビスタ) ※???
松岡昌宏主演「ゴジラ FINAL WARS」(04年東宝 ★不参加) ※似てないイラスト 
--05年--
×東山紀之主演「MAKOTO」(05年松竹 ★?)※??? 
国分太一・堂本剛主演「ファンタスティポ」(05年2月J-STORM) ※イラスト
長瀬智也主演「真夜中の弥次さん喜多さん」(05年4月アスミックエース ★J-STORM) ※イラスト
岡田准一・松本潤出演「東京タワー」(05年東宝 ★J-STORM) ※画像なし(共演者もなし) 
×岡田准一主演「FLY,DADDY,FLY」(05年東映 ★J-STORM) ※??? 
草なぎ剛主演(声)「ロボッツ(洋画)」(05年20世紀FOX)※画像なし(共演者は写真)
V6主演「ホールドアップダウン」(05年10月J-STORM) ※加工写真
×手越祐也主演「疾走」(05年12月角川映画 ★J-STORM) ※??? 
--06年--
岡田准一主演「花よりもなほ」(06年6月松竹 ★J-STORM) ※加工写真 
×草なぎ剛主演「日本沈没」(06年7月東宝 ★J-dream) ※??? 
櫻井翔主演「ハチミツとクローバー」(06年7月アスミックエース ★J-STORM) ※画像なし(共演者は写真)
×岡田准一・櫻井翔主演「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」(06年10月アスミックエース ★J-STORM) ※??? 
木村拓哉主演「武士の一分」(06年12月1日松竹 ★J-dream) ※写真 ←解禁?
二宮和也主演「硫黄島からの手紙(洋画)」(06年12月9日ワーナー ★不参加)※写真 ←解禁?
二宮和也主演(声)「鉄コン筋クリート」(06年12月23日アスミックエース ★不参加) ※画像なし(共演者は写真)
--07年,08年--
松本潤主演「僕は妹に恋をする」(07年1月東芝エンターテイメント)★J-STORM参加 ※写真 
嵐主演「黄色い涙」(07年4月J-STORM) ※写真(TOPのみ加工写真
草なぎ剛香取慎吾出演(声)「ストリングス(STRINGS)〜愛と絆の旅路〜」(07年4月J-dream) ※写真
国分太一主演「しゃべれども しゃべれども」(07年5月アスミックエース ★J-STORM) ※写真 
香取慎吾主演「西遊記」(07年7月東宝 ★J-dream) ※写真 
木村拓哉主演「HERO」(07年9月東宝 ★J-dream) ※写真 
岡田准一主演「陰日向に咲く」(08年東宝 ★J-STORM) ※写真 
山下智久主演「映画 クロサギ」(08年東宝 ★J-STORM) ※写真 
堂本光一主演「銀幕版 スシ王子!」(08年ワーナー ★J-STORM) ※写真 
松本潤主演「隠し砦の三悪人」(08年東宝 ★J-STORM) ※写真 
草なぎ剛主演「山のあなた 徳市の恋」(08年東宝 ★J-dream) ※写真 
東山紀之主演「山桜」(08年東京テアトル ★不参加) ※写真
松本潤主演「花より男子ファイナル」(08年東宝 ★J-STORM) ※写真 
長野博主演「大決戦!超ウルトラ8兄弟」(08年松竹 ★J-STORM) ※写真 
・・・その他


注1)『ゲド戦記』『ハウルの動く城』『ワンピース カラクリ城のメカ巨兵』『ストレンヂア』といったアニメ作品は、キャストの写真を掲載してないので省略した。
注2)SMAP関連はJ-dream設立以前をリストアップしてもあまり意味がないので、設立直前の2004年からリストアップした。

さすがのジャニーズも黒船には勝てなかったか。一方の『武士の一分』もナンバー1ヒットのプレッシャーがかかった一大プロジェクト。松竹の『花よりもなほ』が加工写真ということは、未確認の東宝日本沈没』も同程度の扱いなんだろう。だとしたら、J-STORMが参加し同時期に公開されながら加工写真すら使わせてもらえなかった「ハチクロ」宣伝スタッフは涙目だね。



尚、ドラマの公式サイトは依然としてイラストのまま。ただし、作品によってレベルはバラバラで、TBSは『歌姫』『猟奇的な彼女』『魔王』といい、他局に比べるとどれもかなり写真っぽい。「職人の腕がいい」という単純な理由なら、他局もこのレベルまでガンバレ。