『のだめカンタービレ』エキストラレポ@いちょうホール(2006年10月)

もう1年も前の話ですが、再放送するので覚えてる限り書き起こしておきます。

ドラマ『のだめカンタービレ』公式サイト


第何話だったか忘れちゃいましたが(調べたら第4話でした)、定期演奏会でSオケがベートーベンの「交響曲第7番」を演奏、ジミヘン弾きも披露し、圧倒的演奏力で客席からスタンディング・オベーションを受けるシーンの撮影にエキストラとして参加してきました。
「のだめカンタービレ第4話」定期公演シーンのあらすじ&写真


まずはじめに、同じ日にエキストラとして参加していた↓こちらの方の日記をどうぞ。
いちょうホール [のだめカンタービレ] (@いつも心に音楽を!)
ほんとはもうお一人いたんですけど、いつの間にかブログを閉鎖されてました(残念)。


というわけで補足してゆきます。


その日は朝から撮影してたようです。こちらは仕事もあったので、夕方までしかいられないエキストラの交代要員として、仕事帰りにもうダッシュでかけつけ、友達と夕方から夜の10時近くまで参加してきました。初のエキストラ参加でしたが、いやー、これは楽しかった。その時点でワタシ自身はまだ『のだめ』を1話も見ておらず、玉木・上野・瑛太小出恵介・竹中以外誰が何役で出てるのかも知らずに行ったのに、幸運にもメインキャスト勢揃いの回だったらしく、Sオケの面々だけではなく、豊原さんや西村さん、水川あさみちゃんまで見れて「えー!あの人も出てるんだっ!w」と大興奮。何より演奏会のシーンだから座りっぱなしで良かったし、ベト7延々リピートで聞けるんで最後まで飽きることなく楽しめました(といっても朝から居た人は死にそうでした…苦笑)。


撮影の流れとしては、Sオケの登場シーン→演奏シーン→スタンディングオベーション、そしてオンエアではワンカットしか放送されなかった幻のAオケ・大河内シーンの順に撮影(会場に座ってる出演者の個別カットは夕方までに撮り終えていたようです)。途中、エキストラが足りず、出番待ちしてたAオケの出演者(まだ私服姿の水川あさみちゃんもキャッキャとはしゃぎながら登場。かわいかったー)やADさんらがエキストラとして客席に座ることもありました。玉木くんと瑛太くんはほんとカッコ良かったです。細くてねえ(笑)。二人で何やらよく会話してました。玉木君は後ろ姿と横顔しかあまり見ることが出来なかったけど、瑛太くんはしょっちゅう客席を眺めてたのでじっくりお顔を見ることができたり。細いと言えば(前にもちらっと書きましたけど)上野樹里チャン! あのこのウエストの細さは異常ですよw。同じ人間とは思えない。小出くんは終始かわいらしかったです。真澄ちゃん(小出)はほんとに千秋くん(玉木)のことが好きらしく、皆が真剣な表情で演奏してるのに、真澄くんだけは演奏中ずっと「千秋、がんばれ〜」「そう、その調子よ〜」っていう心の声が聞こえてきそうなほどのラブビームを千秋君に向けて送ってました。また小出くんについてるヘアメイク&スタイリストさんがおかしくてねえ(笑)。彼のアフロや襟元の乱れがとにかく気になるらしく、何かというと二人で彼の傍に寄ってきて直してましたね。撮影の合間には、小出くんのアフロヘアーをかぶった竹中さんが何食わぬ顔で登場しティンパニを叩いて去ってゆくなど、現場の雰囲気を和ませてくれる場面もありました。


各シーンの演出内容を詳しく説明していくと、、、

1)Sオケの登場シーン

「舞台上にSオケ→千秋の順で出てくるので拍手してくれ」と頼まれました。ここはすんなりOKテイクに。

2)ベートーベン「交響曲第7番」演奏シーン

通しのシーンでは「演奏中は音楽にあわせ軽くノッて。ジミヘン弾きの場面が出てきたら驚いて少しざわついて欲しい」と指示されました。玉木くんの個別カットでは背後に客席が映るためエキストラも演技を求められましたが、その他の演奏者の個別カットを撮る時は、舞台上の出演者もカメラに映る範囲以外の人は舞台裏にはけ、会場のエキストラもカメラには入らないので特に何もせずただ見守ってました。実はこのシーンの撮影にくるまで坂本真くんがいることに気が付かなかったんですよ。出てるの知らなかったし、玉木くんの影に隠れてずっと見えなかったもんで。

3)スタンディングオベーション

演奏が終わりシュトレーゼマン(竹中直人)の「ブラボー!」の声によって観客がスタンディングオベーションを始めるシーン。これはエキストラもやること多かったです。ADさんからは「竹中さんが『ブラボー!』と叫んだら、後ろの席の人から拍手しながら徐々に立ってください」と指示されました。このシーンは、会場だけ撮ったり、Sオケメンバーの悦びの表情や千秋と峰君が言葉を交わすカットを撮ったり、拍手の「音」だけ録音したりと、何度も繰り返し同じことをやらされたのですが、ある程度大きな音で拍手しなければならないため、終わってみたら掌がうっ血してました(苦笑)。悦びの表情を撮るシーンはなかなかOKが出ず何度も撮り直してましたね。エキストラとしては、千秋と峰クンが言葉を交わすシーンが一番大変でした。なんせ、このシーンでは二人の会話を同時に録音するため、「おもいっきり拍手してるようにみせなきゃいけない」のに「絶対音は出すな」と言われ、しかも「客席の後ろから順にスタンディングオベーションをしてほしい」と指示されたからです。皆、後ろの人が立つ気配を「拍手の音」で判断してたので、音が無いのにどのタイミングで立ったら良いのかと会場中が一瞬どよめきました(笑)。そこはなんとか後ろの人が立つ「気配」を察知して乗り切りつつ、「音を出してないことがバレないように手の甲を正面に向けながら拍手する振りをして欲しい」という追加指示にも対応しました。

4)幻のAオケ・大河内シーン

オンエアでは「急遽シュトレーゼマンの代役としてAオケの舞台にあがった大河内君(遠藤雄弥)が振り上げた指揮棒を後ろに飛ばしてしまう」という2秒ぐらいのシーンですが、実際に撮影されたシーンは実はもっと長かったんです。「カチコチに固まった大河内君が舞台袖から登場し、清良(水川あさみ)を始めとするAオケメンバーや客席が『なんでシュトレーゼマンじゃないんだ』と怪訝な顔してざわめく中、演奏を始めようと振り上げた大河内君の手から指揮棒がすっぽ抜け、舞台上に落ちた指揮棒を取りに慌てて壇上から降りる大河内君に客席から容赦なくヤジが飛び交いオロオロする」というところまでがワンシーン。台詞のあるエキストラが少し練習した後、本番スタート。これは楽しかったです。大河内役の遠藤君が頑張ってくれてねえ。「ざわつきが甘いのでもう少し激しく」とADさんから指示が出て何度か撮り直すのですが、そのたびにどんどん彼の演技が変わっていく、良くなってゆくんですよ。それにまた触発されてエキストラのテンションも更にヒートアップ。最後は(別にそんな指示一言も受けてないのに)自然と会場から大河内君めがけて『帰れコール』が起こり(笑)、演じてるこちらも大満足な中「OK!」の一声がかかりエキストラをまじえての撮影はこれにて終了となりました(Aオケは残ってもう少し撮影してたらしい)。自分たちの反応ひとつであんなにも相手役の演技が変わるのか、それによって自分たちもこんなにテンションが上がるのかっていうのを身をもって体験できたのはすごく貴重でしたねえ。エキストラ参加して一番楽しく充実した時間でした。でも、ほとんどカット(涙)。オンエア見たら確かにその選択は正しいんだけど、遠藤くん頑張ってただけに正直ちょっと寂しかったです。


今回のエキストラ参加にあたり、スタッフがどのように動いているのかってのも楽しみにしていたポイントでした。驚いたり感心することがいろいろとあったので個別にご紹介。

チーフディレクター

残念ながら、お姿を見ることはできませんでした(たぶん)。何故なら、舞台上でエキストラや出演者に様々な演出指示を送っていたのはチーフADさんで、ディレクターさんは舞台の裏手でモニターをチェックしつつイヤホン越しにADさんに指示を送っていたからです。ワンシーン撮り終わる毎に、玉木、瑛太小出恵介サエコ近藤公園といったメインキャストは舞台裏に引っ込みモニターチェック。終わるとまた戻ってきて次のシーンを撮る、といった感じです。

■アシスタントディレクターの皆さん

100人以上?のエキストラを相手に12時間に渡る長丁場の撮影、ほんとにご苦労さまさまで、指示通りに動いてくれない人やもたもたしてる人もいて大変そうでしたが、励ましたりご機嫌とりつつ疲れた顔しながらも最後までいらついた声ひとつ聞かせることなく丁寧な口調で叫び続けていてエライなあと思いました。女性のADさんが一人いたんですけど、疲れてきたときに落ち着いた女性の声で「あともう少しなんでがんばりましょう」と言われると雰囲気がまろやかになっていいですね。あ、ただひとつ要望があって、まあこんなとこ見てるかどうかわかりませんが、詳しい動きの説明をした後に簡単な流れをもう1回復唱してから本番に入ってくれると良かったかなと。やることが多くなってくると、最初の方に話したことって結構忘れちゃうんですよね(苦笑)。

■プロのエキストラの皆さん

明らかに一般人とは違う雰囲気の人たちがいました。どうやらプロのエキストラの皆さんだったようです。隣に座ったじいちゃんたちもプロの方だったらしく、今度どこどこの撮影に参加するとか、何時まで撮影するとギャラがどうのこうのとかいろいろ話してるのが聞こえてきました。「前の人に重なってたらちゃんと映らないよ」とアドバイスももらったり(いや別に映らなくていいんですけど…)。

■演奏時の音

本放送ではステキな演奏を聴かせてもらえますけど、撮影中は違うんですよ。もちろん当て振りなんで演奏にあわせ音楽は流れますけど、同時に「カン!カン!カン!」というカウントの音が雰囲気ぶちこわしなぐらいの大音量で鳴り続けるんです。途中で馴れましたけど、最初は「せっかくの演奏があああああ」とちょっとがっくりきました(苦笑)。

■指揮者の先生

千秋役の玉木クンには本職の指揮者の先生がついており、撮影の合間に指揮の指導をされていたのですが、もうこの先生がイイ! ステキ!w これでも昔ブラスバンド部だったので、こういうクラシックの演奏聴くと半分自分も演奏してる気分になっちゃうんですよね。だから本番中カメラに映らない場所で先生に指揮されると、(玉木クンには悪いと思いつつも)やっぱ先生の指揮の方がこちらの気分もノるもんだからついつい目がいってしまい、途中から出演者そっちの気でずっと先生のことばかり見てました。



というわけでレポはこれにて終了。『のだめ』第4話はこうやって撮られていたのでした。