シナリオ講座って面白いわ

昨日渋谷にハスミン見に行って(黒沢作品にまつわる幽霊評と、まさか幽霊話からそこへ落とすのかって話の展開が興味深かったッス。あと「母モノ」こそ中田秀夫監督の特性という意見に同意)、『河童のクゥ〜』観て帰ろうと思ったら飯食ってるうちに時間が無くなったので急遽立川で『レミーのおいしいレストラン』鑑賞(佐藤隆太の吹き替えが主人公のキャラにハマリ過ぎ)。帰りに本屋で立ち読みして、ピクトアップに載ってた真利子監督インタビューに笑いつつ、他の雑誌も物色してたらこんなのを見つけた。

ドラマ 2007年 09月号 [雑誌]

ドラマ 2007年 09月号 [雑誌]

昨日出たばかりなのかな。「ライフ」の文字に目がとまったのではなくその左下。

大型企画 BS-iアカデミー講義録
三宅隆太『エンターテイメント・シナリオ技法』
「咀嚼(そしゃく)力を鍛えるための構造分析術・前編」

BS-iが開局5周年を記念して行ったイベントの採録らしいんだけど、これがねえ、読んだら非常に面白かった。CX『ほん怖』や『怪談新耳袋』を始めとするBS-iドラマにて演出・脚本家として多数の作品を生み出す傍ら、既にあるシナリオやなかなか完成に至らず煮詰まってるシナリオをあらゆる方面の要請にあわせてリライトする作業を行う「スクリプトドクター」としても活躍する三宅隆太氏を講師に迎えてのシナリオ講座ということもあり、脚本を勉強してる人のみならず、映画やドラマのシナリオがどうやって出来上がってるのかということに多少でも興味がある人なら読んで損はないと思います(というかマジでオススメ)。


18ページにもわたるので、軽く見出しだけでも列記しておくと、、、

「はじめは「根拠のない自信」でOK!」
「チャンスは待ってるだけじゃダメ!」
スクリプトドクターの仕事」
「何処が原因で脚本が躓いているのか」
「たくさん見て知った映画の構成」
「よく出来た映画はストーリーを二行で言える」
「うまくいってないシナリオとは」
「物語の推進力とは」
「転換点とは何か」
「ホラーとコント」

高3の進路指導で「映画監督になりたい」と言ったら担任から「そんなのは天才かキチガイしかなれない」と言われた高校生の三宅監督が、ほんとかどうかプロに訊いてみようと思い立ち、親父のスーツ着て映画祭のパーティーに関係者のフリして潜り込み、ゲストとして来日してたオリバー・ストーンに直接会って(!)訊いてみたら「監督になりたいなら、シナリオの読み書きぐらいできないでどうすんだよ!」と説教されたという衝撃エピソードから始まり、シナリオの構成に興味を持つきっかけとなった小中学生時代の映画・テレビ体験(うちも夜9時以降はテレビ見せて貰えなかったので共感しまくり)も織り交ぜつつ、『リング』『マトリックス』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』といった誰でも知ってるようなメジャー作品を例にあげて、専門的ながらも堅苦しさのないフランクな語り口調で非常に分かりやすい講義が展開されています。


前編だけでもかなりの密度なのに、後編は「次号に続く」ということで、これ以上何があるっていうんだろう???