『叫(さけび)』を観た(@シネセゾン渋谷)

客は100人ぐらいかな。


取り急ぎ伝えねばならないことがひとつ。先日『叫』の紹介記事で、「映画の公開にあわせ黒沢監督がゲスト出演したラジオ番組(「文化系トークラジオ Life」)がpodcast配信されてるんで聴いてみてね!」と書きましたが、できれば映画観賞「後」に聴いてください。まあ、いまさら言っても遅いんですけど、今日観に行ったら、黒沢さんが番組の中で語っていた「東京」という土地についての様々な想いがほとんどそのまま台詞として使われており、登場人物の口を借りて同じことが語られるたびに黒沢清の顔がちらついてしょうがない(苦笑)。


それから、感想を漁ってて気になったのですが、本作は「ついに清水崇を超えた!」と言ってもいいぐらいの爆笑ホラー映画です。笑っていいのかどうか悩む必要はないので、可笑しかったら遠慮無く笑ってください。ホラーだからって気にしたり、(否定的な意味合いで)「失笑もの」とか言ってカッコつけるのはナンセンスです。思わず笑っちゃった自分を「肯定」する。そこから新たな道が開けるのですw。
(つづく)

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-追記-
「何故、生身の人間である葉月里緒菜に《不気味の谷現象》が起こるのか?」ってことを考え始めたら気になって気になって止まらなくなったので、この感想、いったん保留にします(最近ホラー系は保留ばっかだわあ。気になることが多すぎる)。明らかにCG処理してると思われるところもあるんだけど、そうじゃないところでも起きてる。おそらく「肌の質感」と「目を見開くと頬から上の筋肉が硬直するため、瞬きせずにそのままの状態で喋ると“下顎だけ動かして喋るマネキン”のように映る」ってとこに理由があるんだろうけど。うーん・・・早くDVD出て。


以下、個人的メモ書き。

では、人間のアバターが写真のようにリアルになった場合はどうだろうか?ここで奇妙なことが起こる。人間の脳は反発して、わずかに完璧さに届かない、些細な点に注意を向けるようになる。アバターのリアリズムはこのとき、突如として不気味の谷に転がり落ちる――そして、アバターはゾンビのように見え始める。


皮膚については、ほぼいつも違和感を感じてしまう。多くのアニメーターが語っているように、皮膚の物理現象を完全に理解するのはとてつもなく難しい。たとえば、生身の肌に光が当たると、ほんの少し皮膚に浸透し、それから外に跳ね返される。さらに数学的にやっかいなのが目だ。微妙な潤み具合や「もろもろの些細な動き」を再現する必要があると、アニメの専門家ヘンリック・ワン・ジェンセン氏は記している。強力なコンピューターを使って映像を思いのままに処理できるハリウッドのきわめて優秀なアニメーターたちでさえ、この落とし穴に粉砕されてきた。


リアル過ぎる『Xbox 360』用ゲームと「不気味の谷」現象

ちなみに私はCG人間が大キライなんです(大塚娘とか最悪! 「SIREN」なんて怖いから絶対やらない)。というわけで己の恐怖心克服のためにもがんばろう。