『サンクチュアリ』まもなく公開(10/7〜10/20まで)

エロス番長『ユダ』で久しぶりに原点回帰した瀬々敬久監督が、同じ時期に“瀬々単独脚本”*1で撮り上げていた映画サンクチュアリが今週末から公開される。主演は『嫌われ松子の一生』で一躍ブレイクした黒沢あすかと、「ファブリーズ」のCMを始め映画に舞台にと多方面で活躍する山下葉子。本作は、本来なら2004年秋に公開される予定だったわけで、首を長くし待ちくたびれてた人も多いかと思う。瀬々監督といえば、「井口昇瀬々敬久か」というぐらい作品を換えては同じことを繰り返し続ける作家さんだけに、制作順と公開順が前後したりリアルタイムできちっと公開されないというのは不本意なのだが、まあ、致し方ない。ただ今回は、『六月の蛇』で女優復帰した黒沢あすかにとっても非常に興味深い時期*2に撮られた作品だっただけに、できれば2004年中に公開して欲しかったところ。ビデオスルーという最悪の事態は逃れたものの本作は2週間という短期興行。「瀬々映画はスクリーンで観なけりゃならんのだ!」という皆さん、頑張ってスケジュール調整したってください。ちなみに本作は当初『Mrs.(ミセス)』というタイトルがつけられていたため、もしどこかで「『Mrs.』の公開はまだか?」と首を長くしてる人を見かけたら「サンクチュアリに改題したんだよ」と教えてあげてください。撮影はいつもの斉藤幸一キャメラマンではなく、黒沢清監督『LOFT』の芦澤明子。尚、『MOON CHILD』でいったん終了かと思われていた死生観ラインもこういう形で地味〜に続いていってる模様(今度は天使で来たか)。久しぶりにドキュメンタリーも撮ってるようだし、テレビ欄チェックも頑張らねば。

『サンクチュアリ』 10/7(土)〜10/20(金)まで


【監督・脚本】瀬々敬久【撮影】芦澤明子【音楽】安川午朗
【出演】黒沢あすか/山下葉子/未向/下元史朗/外波山文明/武田修宏/光石研/長門勇/利倉亮
95min/DV/R18指定/2005年
□上映館:渋谷ユーロスペース(21:10〜レイトショー)


【STORY】のどかな別荘地で、ある日突然、一人の子供が消えた。母親の裕子(山下葉子)は手がかりを求めて必死に捜すが、息子のミノルの行方は杳として知れない。事故か誘拐か、それとも…。やがて浮かび上がってくる悲劇の真相とは……。


「タコ社長の宣伝日記」


10/7(土)上映前に初日舞台挨拶あり。ゲストは黒沢あすか、山下葉子、下元史朗、瀬々敬久監督を予定。当日は武田修宏によるビデオレターの上映もあるそうです。尚、トークショーの予定はいまのところありません、と書こうと思ったら決まりました!

10/16(月)上映前
ゲスト:光石研瀬々敬久監督

生・光石さん! 雨が降りませんように(拝)…台風が来ませんように(祈)…定時で上がれますように(懇願)…


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黒沢あすかインタビュー
『サンクチュアリ』初日舞台挨拶の模様




*1:『ユダ』は佐藤有記との共同脚本。

*2:実は、黒沢あすかのフィルモグラフィーを見ると『六月の蛇』出演直前の数年間が空白になっている。その期間何をしていたかというと、女優を引退するつもりで田舎に帰り介護ヘルパーの資格を取るため学校に通っていたのだ。就職先も決まり新たな生活をスタートしようかという矢先に、塚本晋也からの熱烈ラブコールで映画業界に呼び戻されカンヌで自信を取り戻した直後に出演したのが本作である。瀬々作品への参加は『冷血の罠』以来2度目であり、挫折から一転、一皮むけた黒沢あすかが昔の自分を知ってる監督の作品に再チャレンジするという興味深いシチュエーションが本作には存在する(だから04年に公開して欲しかったんだよー)。撮影にあたっての意気込みについてはこちらのインタビューで詳細に語られているので興味をもたれた方は一読されたし。