『雪に願うこと』まもなく公開(5/20〜7/14まで)

北海道は帯広のばんえい競馬場を舞台に、社会のレースから脱落した若者が再びスタートラインに立つ様を描いた人間ドラマ雪に願うことが今週末から公開される。一見すると非常に地味な印象の映画だが、昨年開催された東京国際映画祭では史上初となる4冠(グランプリ・監督賞・男優賞・観客賞)を達成している。原作は鳴海章の『輓馬』。『風花』についでの映画化となる。帯広に暮らす鳴海氏は、映画化によって得た印税を全て馬券につっこむほどの競馬好きで、本作をきっかけに輓馬レースの認知度が高まることを願ってる模様。また、氏の話によれば、製作のきっかけを作ったのは『風花』を撮った相米慎二監督だとか。『風花』で鳴海氏と出会った監督は、その誘いで初めて輓馬レースを体験。すっかり魅力にはまり、氏の書いた『輓馬』を「映画にしたいね」と話してたそうだ。しかしその半年後に突然還らぬ人に・・・。というわけで、『風花』スタッフ再結集により作られた本作は、相米監督への「弔い合戦」の意味も込められている。ちなみに、公開初日となる明日5/20(土)、上映館である新宿タカシマヤタイムズスクエア1階特設ステージにホンモノの輓馬(ばんば)がやってきます。あの巨体を生で見たい!という馬好き・競馬ファンの皆さんは是非新宿へ(時間は14時10分頃)。また、翌5/21(日)には、東京CITY競馬で映画の公開を記念した「BANBA祭」が開催されます。山本浩司、岡本竜汰、出口哲也を呼んでのトークショーの他、ちょっとした輓馬レースも見られるそうなのでお楽しみに(詳しくはこちらを参照)。

『雪に願うこと』 5/20(土)〜7/14(金)まで


【監督】根岸吉太郎【脚本】加藤正人【撮影】町田博
【出演】伊勢谷友介/佐藤浩市/小泉今日子/吹石一恵/香川照之/小澤征悦/椎名桔平/津川雅彦/でんでん/山本浩司/岡本竜汰/出口哲也/草笛光子/山崎努
112min/2005年
□上映館:銀座テアトルシネマ(6/17よりモーニングショーに移行)/新宿テアトルタイムズスクエア(〜6/16まで)/シネセゾン渋谷(〜6/16まで)


【STORY】 東京での成功を垣間見ながらも経営してた会社を倒産させてしまう矢崎学(伊勢谷友介)。全てを失い、故郷の北海道・帯広に戻った学は、ばんえい競馬の厩舎を営む兄・威夫(佐藤浩市)のもとで、成績がふるわずに処分される運命となり同じように崖っぷちに立たされた馬・ウンリュウや、厩舎の仲間たちと暮らし始める……。

テアトルタイムズスクエアでは、5/20(土)10:50の回上映後、13:30の回上映前に初日舞台挨拶あり。ゲストは根岸吉太郎監督、伊勢谷友介佐藤浩市吹石一恵津川雅彦を予定。当日10:00より新宿高島屋12階劇場窓口にて整理券配布(※「10:00前にお越しになられる方は高島屋1階正面口にお並びください」とのこと)。追記:初日舞台挨拶の模様


輓馬 (文春文庫)

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