教えてくれ! 深夜版『なるほど!ザ・ワールド 春の祭典SP』の何がダメだったのか

その昔(たぶん1990年)、一度だけ深夜番組版なるほど!ザ・ワールド 春の祭典SP』が放送されたことがある。それも本家『なるほど!ザ・ワールド 春の祭典SP』と同じ日の深夜に。解答者席に座るのは深夜番組の出演者たち。しかし、当時の深夜枠といえば今ほどメジャーな存在ではなく、出てるメンツはかなり地味。誰もが知ってる有名どころといえば、既に人気番組だった『さんまのまんま』の明石家さんままんまちゃん。そして4月から放送を開始する新ドラマ『子供、ほしいね』の工藤夕貴大高洋夫ぐらい。「有名」と言っても、当時の大高さんは第三舞台の役者さんとして活躍していたけどテレビ的にはほとんど無名。レギュラー出演していた大人気番組『たほいや』の放送はこれよりずっと後で(1993年4月〜)、前年の『IQエンジン』(1989年1月〜9月放送)には出題VTRの方でたびたび登場していたけど、そんなのは『IQエンジン』を熱心に見ていた深夜番組フリークぐらいしかしらない。『なるほど〜』の回答者席にいた工藤夕貴以外の出演者にしてみれば「あ、俳優さんなんだ」ぐらいの認識。司会は、マチャアキとヤックン。いや、リポーターがこの二人だったのかな。


深夜枠であるが故に予算が足りない。そのため新たに海外へリポーターを派遣するなど無理な話。そこで各問題は、数時間前に放送された本家のVTRから出題されることに。すなわち使い回しだ。ということは、本家を見てた視聴者には答え丸わかり。明石家さんまは本家にも出演しており、いくら「自分にしか興味がない」とはいえ、俄然有利な立場にある。こんなんで面白いんだろうか?と思いきや、ここからがこの番組のうまいところ。出題されるのは本編で出された「問題」ではなく、本編中でリポーターや解答者が見せたギャグ、ダジャレ、珍回答、リアクション、ハプニングなどなど。それらを取り出し、「問題」として出題してきたのだ(つまり『さんまのからくりテレビ』方式っすよ!)。チョイス具合も絶妙で、視聴者も「あーーーーなんだっけそれーー!????(ここまで出てきてるのにぃ)」と身悶えするよなネタばかり。


これがねー、これが本当に面白かったんだ。夜中だから大きな声で笑えないのが実に苦しかった。腹筋痛くなるぐらい腹抱えて笑ったよ。解答者が地味でも、さんちゃんが全部掬って一人でコケて突っ込んでくれるから無問題! 「うわー、もうこれ絶対レギュラー決定!」と確信したのに、結局これ1回キリ。


ねえねえフジテレビさん、いったい何がダメだったの? あんなに面白かったのに。そんなに視聴率とれなかったの?