内容もさることながら、有志による署名活動・配給元探しでお蔵入りから一転、晴れて日本公開に漕ぎ着けたことでも話題の洋画『ホテル・ルワンダ』がいよいよ今週末から公開される。本作は、実在する人物をモデルに、アフリカのルワンダ共和国で1994年に起こった一般人による大量虐殺事件の実状を描いた映画である。ルワンダにはフツ族、ツチ族の二つの民族が生活しており、かねてから民族間の諍いが絶えなかったが、とあるラジオ放送をきっかけに、恐怖心を煽られたフツ族の一般人が手に手に武器を持ち、対立するツチ族や融和派フツ族を虐殺、たった3ヶ月弱で100万人、国民の10人に一人が死んだとも言われる大量虐殺事件へと発展した。馴染みの薄い国での出来事ということもあり、《ルワンダ難民》という言葉ほどには世に知られていないこの事件。事件発生をきっかけに周辺国へ流出した200万人にものぼるルワンダ難民の多くは、ツチ族からの報復を恐れたフツ族(つまり虐殺を行なった側)だったとか。受け入れる周辺諸国も心中複雑だったろう。今なお続く難民問題、そして一般人による大量虐殺という稀に見る悲惨な事件を風化させないようにと、発生から10周年となる2004年、南アフリカ・イギリス・イタリアの合作で本作は製作され、アメリカで公開された。
予告編から受けるイメージがネット上で目にしてきた感想と少し乖離してるあたりに若干の心配が残るけれど、己の目で確かめろということですかね。映画の仕上がりもさることながら、興行面でも興味のつきない『ホテル・ルワンダ』。東京でヒットさせ、地方へつなぐことができるのかどうか!? 移転後の旧ユーロスペース跡地にオープンしたシアターN渋谷にて公開です(水曜1000円、レイトショー1200円の割引制度あり)。ちなみに、お蔵入りになりかけた最大の理由は、配給権がべらぼうに高かった・・・というのがことの真相らしい(ライオンズ・ゲイトめ!)。詳しいことはこちらを参照。今晩夜10:00から放送のNHK総合「ニュース10」でも、上映に向けての活動の様子が取り上げられるそうです。
『ホテル・ルワンダ』 1/14(土)〜4/28(金)まで
【監督・脚本】テリー・ジョージ【配給】メディア・スーツ、インターフィルム
【出演】ドン・チードル/ソフィー・オコニド/ニック・ノルティ/ホアキン・フェニックス
122min/シネスコ/2004年
□上映館:シアターN渋谷/立川シネマ・ツー(1/28〜2/17まで)/シネカノン有楽町(2/4〜3/17まで)/新宿武蔵野館(3/4〜)
【STORY】1994年のルワンダ虐殺事件、民族間の争いで3ヶ月間に100万人が殺された。この事件に遭遇したホテル支配人ポール(ドン・チードル)は、勇気を奮い起こしホテルに1000人を超える人々をかくまう。虐殺の事実を世界に知らせるべく外部と連絡を取ろうとするポール。ルワンダで暮らすごく小さな存在でしかなかったはずの彼の行動は、やがて1200人もの人々の命を救う事になる……。
右側のちらし(顔のイラスト)が署名を集めるときに配られたちらしです。
料金は以下の通り。
一般:1800円 学生:1500円 高中小シニア:1000円
各種割引:前売り1500円、水曜1000円、レイトショー(20:35〜)1200円
劇場へのアクセスMAP→こちら
うーむ、このアクセスMAPはすごいなあ。写真付きだぞ。これぐらいやってもらえると初めて行く劇場なんかは心強い。
劇場前の「さくら通り」が“坂道”だってことを表すうまい表記ってないもんだろうか。
東京以外でも全国17の劇場で公開が決まってます。詳しくはこちらを。
【アメリカ公開時(?)に観た人たちの感想】
『ホテル・ルワンダ』は現実版『ドーン・オブ・ザ・デッド』だ(@ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記)
「ホテル・ルワンダ」(@シカゴ発 映画の精神医学)
「ホテル・ルワンダ」のシネマレビュー(@JTNEWS)
「Hotel Rwanda ホテル・ルワンダ」(@アメリカTV/映画ノーツ)
【関連記事】
「ホテル・ルワンダ」の日本公開について(@ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記)
アカデミー賞候補の映画『ホテル・ルワンダ』が日本が公開されない!?(@森本毅郎スタンバイ!)
ルワンダ難民写真集
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