『雄大祭』トーク、須賀貴匡×坂口拓×山田広野×山口雄大

『手鼻三吉と2志郎が往く』『名探偵・一日市肇』上映前にはゲストを呼んでのトークショーが催されました。


雄大監督の『魁!!クロマティ高校』『プレゼント』にも出演してる元ツインカム島根定義さんが司会進行を担当。個人的に観に来たら雄大監督につかまり急遽MCを頼まれたとか。さすが芸人さん(いまは俳優一本?)。突然の依頼にもかかわらず、ボケだらけでマイペースなゲスト陣を終始端からツッコんでくれました。


左から島根、須賀貴匡坂口拓、山田広野、山口雄大の順に着席。須賀、坂口両名は作品の出演者*1だけど、「山田広野さんはなんで呼ばれたの?」って話になり、「『手鼻三吉』は四作あり、始めの頃の制作過程を知ってるというのと、当初は山本浩司くんなど「山」がつく友人を集めてトークショーを行うつもりだったのに、実際に来られたのが広野くんだけだった」と語る雄大監督。


トークは案の定、『手鼻三吉と2志郎が往く』メインで進みました。広野さんが「『手鼻三吉』は雄大監督の最新作で…」と紹介しようとすると、すかさず監督から「最新作って言っちゃうと、出てきた画にがっかりするからやめてくれる?」とツッコミが。須賀君や板尾さんの出演したシリーズ最新作『北の0年』は確かについ数ヶ月前に撮られたものだけど、シリーズ1作目は7,8年前に撮られた作品だそうで*2、画のクオリティも低いし、制作費もほとんどかかってない上に、本人達もナメて撮ってたんで、「だからよく見に来たなと思って」と主演の坂口君も自虐的。でも、ナメて撮った1作目が思いの外ウケたことで、続編からは本気モードに切り替わったらしい。今回もウケが良かったら来年あたり本格的に『手鼻』を映画化したいと言ってました(本気か冗談かよくわからんけども)。ちなみに坂口君と雄大監督は、『手鼻』より前、インディーズ・ムービー・フェスティバルに出した作品からずっと一緒にやってるそうで、その作品も坂口拓主演なのかと思いきや「雄大さんが主演です」と答える坂口君。「タイトルは?」と聞くと、監督は「言いたくない」と頑なに拒否(笑)。坂口君曰く、「よく出たがるなと思ったぐらい」に「演技がヒドイ」らしい。監督は「出たくなかったけど、他に出てくれる人がいなかったから」と答えてたけど、あれだけヒドイヒドイ言われれば却って観たくなるのが人情ってもんです(タイトル知りたい方はこちらを参照。作品自体はIMFにて3作連続入選記録を作ってます)。


須賀君に出てもらった『手鼻』最新作は、年末にDVDが出るんでそれ用に撮り足したとか。須賀君と板尾さんという有名人の出演に、監督が「まるで華が咲いたようだった。今までまったく華が無かったんで」と評すると、『手鼻三吉』の主演を長年務めてきたイケメン俳優・坂口拓から「おい!」とツッコミが…(もちろん「拓ちゃんは別にして」とすぐさまフォローに入る監督)。須賀君は『手鼻三吉』がどんな映画か全く知らないままに出演したそうで、監督によれば既に見せたと勘違いしていて改めて見せることはしなかったんだそうだ。トークショーの間、須賀君はほとんど喋ってなかったんで、後半、司会の島根さんから「あんたほんとに喋らない人だなあ」と突っ込まれる一幕も(笑)。


ちなみに1作目の制作費は1万円で、内訳はほとんどが衣装代とテープ代。撮影日数は1日で、坂口君から「1日じゃ辛い」と言われ、続編は1日半にしたとか(衣装は使い回したので制作費はもっとかからなかったらしい)。あまりの安さに驚いた島根さんから「それをDVDにしますか?」とピンポイントなツッコミが(場内爆笑)。「だーかーら、よくみんな見に来たなと思って」と語る坂口君*3を、「制作費じゃないから」とすかさずフォローする雄大監督(ごもっとも)。


『名探偵・一日市肇』は、監督曰く「『手鼻』の後、拓ちゃんに『次何やりたい?』と聞いたら『探偵がいい』といったから」という理由で決まったそうで、こちらは当の拓ちゃんも自信をもってオススメできるらしい。制作費を聞くと、破格の5万円! これは照明代に消えたそうで、「『手鼻』の時は“照明”って知らなかったもんねー」「知らなかったもんねー」としれっと答える二人だった。「広野さんは『一日市肇』観たことあるんですか?」と聞くと「資料としてもらってたの思い出して、今日観てきました」と。感想を聞くと「傑作ですねぇ」と一言。『手鼻』の感想もそれだったので島根さんが「それしか褒める言葉ないんですか?」と突っ込むと、「坂口君のピチピチとした魅力が」と続けて、褒めるポイントがおかしいと更に突っ込まれてた。


「ピチピチ」で思い出したのか、「『手鼻三吉』で毎回ウインクをするんですけど、1,2,3,4と回を重ねるごとにウインクの数が減っていってるんですよ」と言い出す坂口君。「理由は監督に聞いてみてください」というので監督に尋ねると、「最初の頃の純な感じが無くなって、瞳がくすんで(澱んで?)きたから」との答えが。それを受けた坂口君が「東京ってこんなに汚れるんだな」と言うと、すかさず「東京のせい!?」とのツッコミが島根さんから飛び、これには場内爆笑でした(映画を観ると、これが実際見事なぐらいに汚れていくんだ…)。


「画のクオリティは置いといて、内容自体はどちらも自信をもって見せられる作品だと思ってる」ということで、「面白かったら、明日も明後日もやるので是非周りの人にも伝えてください」と言ってトークショーはお開きとなりました。ちなみに最後の挨拶でも「傑作ですから」と繰り返す広野さんに、雄大監督が「半笑いで言われても…」と切り返す一幕も(笑)。


*1:須賀君は『手鼻三吉と2志郎が往く/北の0年』に出演。坂口君は『名探偵・一日市肇』『手鼻三吉』シリーズの全てに主演。

*2:正確には1999年

*3:今回のチケットは1500円。227席の劇場で6,7割埋まってました。はい、計算して!