ドキュメンタリー大賞作を撮った撮影カメラマン

ほんとは放送前までに書きあげたかったんだけど、時間が無くて間に合わんかった…(残念)。


第13回FNSドキュメンタリー大賞を受賞した「罪の意味−少年A仮退院と被害者家族の7年−」という作品が、今日の午後、フジテレビ系列で再放送された。これ、見た人いるだろうか。関西テレビ制作ということで、関西ではもうだいぶ前に放送されていたのだが、関東でも昨年の12月4日深夜に「NONFIX」などが放送されてるような枠でオンエアされていた。自分はその時のをたまたま録画していて、今年に入ってからようやく見たのだが、これ、いつも見てるTVドキュメンタリーとはなんだか雰囲気が違うのだ。構成があまりかっちりしてなくて素人っぽいってのもあるんで「そのせいかなー」と最初は思ってたんだけど、そうじゃない。それ以上に「画」なんだな。「画」が違う。TVドキュメンタリーにしては珍しく、何気ない、でもものすごく印象的な風景ショットがポーンポーンと挟まれてくる。灯りのともった電灯がひとつ、夕景の中にポツーンと映されていたり。高台から街やタンク山を映す際の空の分量がやけに多かったり。なんか「変わってるなー」と思って…。で、「ディレクターの趣味なのかなあ」と思い、ちょっとスタッフ関係を調べてみた。


制作スタッフの詳細は以下の通り。

プロデューサー:杉本真
ディレクター:柴谷真理子
撮影:関口高史
音声:長谷川周作
編集:野上隆司
制作著作:関西テレビ放送


今回制作にあたった柴谷真理子ディレクターは、これが初めてひとりで撮ったドキュメンタリー作らしく、経歴を見ても、これまで自主でドキュメンタリーを撮っていたような人ではなさそう。となると、カメラマンかーと思いいろいろ検索してみたら、まさにビンゴ。撮影を務めた関口高史カメラマンの知り合いが関西でのオンエア時にたまたまこの番組を見ていて、その時こんな記事を書いていた。

July 02, 2004
時代遅れの男になりたい(By河島英吾)
関西テレビで先ほど放送されていた、「罪の意味」を見ていて。
これは、例の神戸市北区で起こった事件のこと。


途中まで音声を上げて、内容も見ていたのだけど、イメージカットが数秒つづいたところで音声を消した。
意味のない映像がそれなりに長く続く。。
意味の無い映像が、さらに数カット。。
だけど、それらには意味は必ずある。


関口高史カメラマン。


映像を見ながら、その人が撮ったはずだと確信した。


(−中略−)


それから、10年経った今年、関口さんが「ドキュメンタリー映像大賞」を受賞したと知った。


映像美とかではないアングル。
でも、すごく心地よかったり、含みをもったアングル。
癖のある映像が数カットつづいた時に、なんとなく気づいた。


どんなに辛いことがあっても、人には弱音を吐かず、自分を騙し続けた男が最高の勲章を手にいれはった。


(−以下略−)


全文はこちらを参照してください(ちなみに関口氏は某有名人の甥っ子だそうです)。


・・・関テレの関口高史カメラマン。ちょっと名前を覚えておこう。。。同じ関テレの鈴木 幸夫、竹田 学両氏と共に2003年度報道展・撮影部門金賞を受賞した「夏の終わりに 光る稲妻」も観てみたい。



ちなみに、本作のナレーションを担当してるのは俳優の山本太郎。「あ、関西人だし、左之助でプチブレイクしたからね」などと侮るなかれ。「NNNドキュメント」やNHKのスポーツドキュメントが好きな人は結構気付いてるかもしれないが、実はここ1,2年、ヤツはかなりの数のナレーションをこなしている。その売れっ子ぶりはおそらく若手俳優じゃ群を抜いてるのではないかと。下手くそな頃を知ってる身としては、最近の上達ぶり売れっ子ぶりは嬉しい限り。



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