『銀のエンゼル』前夜祭、舞台挨拶の模様

老若男女、立ち見満席の中、『銀のエンゼル』前夜祭舞台挨拶が行われた。会場は客席数1000席以上を誇る、国内でも最大級の映画館、新宿ミラノ座。


司会者に促され、鈴井貴之監督、辻本祐樹、浅田美代子小日向文世佐藤めぐみ大泉洋の順で舞台に登場。まずは、ひとりひとりご挨拶。韓国映画業界へ留学中の鈴井監督は、現在タイでの撮影に同行しているそうで、司会者からそう紹介されると、「ス、スズイ デース」と片言の日本語で自己紹介。すかさず大泉君がつっこむと「韓国じゃ誰も突っ込んでくれないから」と嬉しそう。主演の小日向さんは、ここに来るまで隣のシネマミラノでやるものだと思ってたらしく*1、会場を見渡しながら「さっきまで家で息子とテレビ見ていて、こことのギャップに驚いてる」とゆらゆらもじもじしながら話していた。「北海道での撮影は空気も美味しく、大泉さんにはいつも笑わせてもらってた」と語る浅田美代子。シャイな佇まいで自己紹介する辻本君には、会場のあちこちから「かわいいー」というため息混じりの声が。本人は「素敵な映画に、素敵な監督、素敵な…」と“素敵な”を何度も連呼しながら、最後は「リラックスして楽しんで下さい」と締めくくっていた。佐藤めぐみちゃんは隣にいる大泉君をちらっと見ながら「大泉さん演じるロッキーさんは私に恋する役なんですけど、さっきも控え室で『お父さんに紹介しろ』と頼まれました」と暴露発言。「おまえ言っていいことと悪いことを考えろ!」と大泉君に怒られキャッキャとはしゃぐ一幕も(実は会場にめぐみちゃんのご両親が来てたのです)。その大泉君が挨拶を始めると、会場からはひときわ大きな歓声が。気を良くした大泉くんは「わたくロッキー役を演じております、大泉洋大泉洋でぇございます」と選挙活動中の政治家のような自己紹介を繰り広げ、会場を更に盛り上げる。大泉君も小日向さん同様、今日の会場がまさかこんな大きなとこだとは思ってなかったらしく、「事務所の日記に携帯で“ミラ”までいれたら、予測で“ミラノ座”って出てきまして、そんなに大きいとこなのかと…」と少しとまどい気味。また、通常よりかなり遅い時間から舞台挨拶が始まるということで、「夕食の後にお酒を飲んでしまいまして…まだちょっと慌てております」とドギマギしていた。


クランクアップはちょうど1年前の12月だったそうで、監督がそれぞれの出演者に<北海道の想い出>を尋ねると、「40代最後の年で、50歳の誕生日を迎える2ヶ月前だったこともあり、想い出深かったです」と語る小日向さん。「それは別に<北海道の想い出>じゃないですよね」と大泉君に突っ込まれるも、ニコニコ笑い返していた。それに対し、「とにかく寒かった。寒いというより痛い」と語る浅田さん。めぐみちゃんも真っ先に「寒さ」のことを口にしており、出演者には寒さがことのほか堪えた様子。北海道民である監督が「ロケも多かったし、マイナス20度を越えると、寒さも痛みに変わるようですね」とフォローしたが、そこは天下の浅田美代子。自分が言い出しっぺのくせに「でも私は室内の撮影が多かったんで」とばっさり斬り捨てた。みんなが寒がってる中、小日向さんだけは「すごいよー。息が白いよー」とひとりはしゃいでたようで、周囲の気も知らず「もっと寒くなればいいのにー!」なんてことをさらっと言っては大泉くんに嫌がられてたそうだ。「ごはんがとーっても美味しかった」と嬉しそうに語るめぐみちゃんは、「この子はお米さえあれば幸せなんです」と言われてた。辻本君はちょっと悩んで「あ、キツネがいました!」と一言。会場からまたもや「かわいいー」の声がもれ、大泉くんからは「辻本くんさ、可愛く見せようと思って好感度アップアップじゃん。『あ、キツネがいましたー』って、こどもかよ?」と嫉妬まじりなツッコミが入る。


監督が「そういえば、小日向さんと浅田さんは『新選組!』で夫婦役。辻本君とめぐみちゃんは『金八先生』で同級生。僕と大泉君は『どうでしょう』ですよね」と語ると、「わざわざカップルにしてどうしたいんだ?」と大泉くん。お互いに顔見知りどうしのおかげで、最初から打ち解けた雰囲気が出来上がってたという事を監督は言いたかったらしい。「僕も(辻本君とめぐみちゃんとは)同級生だったからね」と大泉君がボケるので、監督が「何役だったっけ?」と突っ込むと、「加藤」と一言。思ったほどには伝わらなかったので、監督が「ああ、腐ったミカンのね」とフォローすると、「だってそれしか知らないんだもん」と逆ギレな大泉君であった。


最後に、「今日の舞台には上がってないけど、たくさんのスタッフのおかげで作品は出来上がりました。そんな彼らの名前もきちんと見て欲しいと思い、エンドロールの後にもシーンを残してありますので、最後までご覧になってください」と語る鈴井監督。大泉くんによれば、上海映画祭に出品した際、エンドロールが流れ始めたところで客が続々と席を立ち始め、上映が終わってもないのに客電まで付いてしまうという苦い目にあったそうで、客席で観てた鈴井監督は、慌てて舞台上に駆け上がり、劇場後方の調整室に向かって「ライト NO−−−!!!!」と叫んだらしい。そのときの様子を監督が再び自分目線で説明すると、大泉君からオチの一言。「でも、監督の影でスクリーンが見えなかったんですけどね」


こんな感じで約15分にわたる舞台挨拶はお開きとなり、プレス向けの撮影会がしばし行われたあと、出演者は舞台上から去ってゆきました。


ちなみに、シネマミラノで行われた公開初日舞台挨拶の模様はこちら



*1:シネマミラノとミラノ座では客席数が5倍ぐらい違う