『爛れた家』『地獄小僧』舞台挨拶@テアトル池袋

「スーパーインディーズ映画祭2004」のクロージング作品として「日野日出志のザ・ホラー怪奇劇場」から『爛れた家〜「蔵六の奇病」より〜』『地獄小僧』の2本が特別上映されるとのことで行ってきました。開演直前に100人で押し掛けても余裕のよっちゃんなぐらい、すんごい客が少なかったので、主催者はもうちょっと宣伝をなんとかした方がいいと思う。来年がんばれ!


上映前に監督・キャストによる舞台挨拶が行われた。ゲストは、『爛れた家』より、監督の熊切和嘉森下サトシ、川口真理恵、三浦誠己のキャスト3名。『地獄小僧』からは安里麻里監督と、壇上には上がらなかったけど『地獄小僧』に出演してる中原翔子さんが客席から安里監督に声援を送る姿が見られた。中原翔子さんを会場で見かけるのは今年何度目だろう? 「ワラ番長」の高橋洋×西山洋市トークショーにも来てたし、前日の「怪奇大家族のツボ」も観に来ていて、ホラー番長の宣伝をする清水崇監督を客席からフォローしてた。三浦誠己君は今年ほんと出倒してますねー。自分が見る作品に何故かいつも出てる*1だけなんだけど(笑)。個人的には今年の新人賞をあげたいぐらい、本作でも光ってました。


司会者から、作品に関わったきっかけについて問われ、「先に参戦が決まってた友人の坂本一雪監督*2から「監督に空きがある」という話を聞き、ちょうど暇で時間もあったし、ホラーは大好きだし、昔からマンガ『蔵六の奇病』を持ってたこともあって、「空きがあるならやりたい」と自ら名乗りを挙げ参加が決まった」と話す熊切監督。安里監督の方は、ある日いきなり『地獄小僧』の台本が送られ、有無を言わさず引きずりこまれたそうで、本人は、子供の時に読んでトラウマになって以来、出来るだけ「見なかったことにしよう」と封印してきたにもかかわらずこういう事態になってしまい、今回の抜擢はトラウマ克服のチャンスだと真摯に受け止め撮影に挑んだそうだ。


撮影について質問される『爛れた家』キャスト陣。撮影は水海道市で1週間ほどかけて行われたそうで、連日睡眠時間は3時間ぐらいだったらしく、「自分らが寝てる時もスタッフは不眠不休で働いてた」と話す三浦誠己。


「スーパーインディーズ映画祭」ということもあって、司会者から「インディーズからメジャーに上がりたいと思ってる人へ何かアドバイスはありますか。こうやったらメジャーへ上がれたとか」と問われる両監督だったが、どちらも、撮ってる時はプロだとかアマチュアだとかを意識したことはないし、撮り方も変わらないのでよく分からないと答えていた。特に安里監督は、20歳で映画美学校に入ってまだ右も左もわからない状態だった時に、講師である黒沢清監督から「君たちと僕たちは対等の関係だ」*3みたいなことをしょっぱなにガツンと言われ、それを間に受け今までやってきたと。だから映画を撮る上で自主だからメジャーだからと特別に意識が変わるようなことはなかったと話してた。


近況の話になり、「今度BS-i怪談新耳袋に参加することになった」と話す安里監督。また現在公開中の『ソドムの市』で助監督を務めてることもあり、隣にいた三浦くんに手伝って貰いながらポスター広げて宣伝してました(安里監督曰く「『ソドムの市』は『地獄小僧』とスタッフも同じで、キャストも被ってる。姉妹のような作品なので『地獄小僧』を気に入った人は是非観に行って欲しい」とのこと)。三浦誠己は「『血と骨』という2時間24分もある長い映画に少しだけ出てます」と一言。熊切監督は「渋谷シネ・ラ・セットで11月に公開される『ラブコレクション』というシリーズで『揮発性の女』というのを監督してるので観に来てください」とのこと。それを聞いて思い出したのか、三浦君が「僕も『ラブコレクション』の『OLDK』という作品に出てます!」とあわてて付け加えてました。


安里監督が司会者から一番遠い位置にいたせいか、「監督、話聞いてます?」とたびたび司会者につっこまれてたのがおかしかった。


舞台挨拶終了後は、監督・キャスト共に客席で自作を観て帰ったようです。

*1:きょうのできごと』『バーバー吉野』『ユダ』等、作品ごとにいろんな顔を見せてます。『月猫に蜜の弾丸』にもちょろっと出てました。

*2:日野日出志のザ・ホラー怪奇劇場〜第二夜〜」で『恐怖列車』を撮っている。

*3:安里監督はもっといろいろ言ってたんですけど、、、忘れました(汗)。