『宮崎淳映像作品集』を観た(@アップリンク・ファクトリー)

今年のカンヌ映画祭監督週間で<若い視点賞>を獲得した宮崎淳監督。受賞作品『FRONTIER』を始め、風景をモチーフにした短編映像が多数上映されるということでアップリンク・ファクトリーに行ってきました。お客さんは10人ぐらいで30歳前後の男性ばかり。


プログラムの詳細は以下の通り。

『宮崎淳映像作品集 ANOTHER WORLD』 
10/16(土)〜10/22(金)まで(10/25-27レイトショー)
■Aプログラム
『MOTION PHOTOGRAFFITI』(2000年/ビデオ/カラー/サウンド/9min)
『TIMESCAPE』(2001年/16mm/カラー/サウンド/15min)
『RAPID FIRE』(1996年/16mm/カラー/サイレント/10min)
『FRONTIER』(2003年/16mm/白黒/サウンド/23min)


■Bプログラム
『FROZEN DREAM』(2001年/ビデオ/カラー/サウンド/6min)
『BORDER LAND』(1999年/16mm/カラー/サウンド/15min)
『A LITTLE PLANET 〜小さな惑星〜』(2002年/16mm/白黒/サウンド/7min)
『天演光(てんえんこう)』(1993年/16mm/カラー/サイレント/10min)
『光の庭 〜Brilliant Garden 2004〜』(2004年/16mm/カラー/サウンド/20min)


■レイトショープログラム
『BORDER LAND』(16mm/カラー/サウンド/15min)
『RAPID FIRE』(16mm/カラー/サイレント/10min)
『A LITTLE PLANET』(16mm/白黒/サウンド/7min)
『MOTIONPHOTOGRAFFITI』(ビデオ/カラー/サウンド/9min)
『FROZEN DREAM』(ビデオ/カラー/サウンド/6min)
『FRONTIER』(16mm/白黒/サウンド/23min)


お目当てはAプロ『FRONTIER』だったけど、Bプロの『BORDER LAND』『光の庭 〜Brilliant Garden 2004〜』にハマって帰ってきました。『FRONTIER』にも言えることなんだけど、広角レンズで撮ってるせいか空がえらい低く、道や広場がえらい広くて、なんだか日本じゃないみたい。定点カメラで風景を映し、建物や木々の上空を流れる雲を延々と光速早回しでみせてたりして、「ああ、これどっかで見た風景だぞ」と思ったら、地球の周りをぐるぐる回るスペースシャトルから眺めた地球の映像だった。いや、動いてるのは雲の方なんだけど、定点だと地面と空、どっちが動いてるのかわかんなくなってきて、建物や周りの木々ごと宇宙空間に上がっていって、地球の周りをぐるぐる回ってるみたいな錯覚におちいる。世界は足早に動いてるんだけど、観てるこちらの時間は止まったままという、ちょっと不思議な感覚世界。


流れてる音楽も良かったなあ。アンビエントな音楽が、広角で撮った風景映像によくあってて心地いい。


ちなみに全てが風景ものってわけじゃなくて、『MOTION PHOTOGRAFFITI』なんかは、人物や物体、風景の写真をドラマ『ケイゾク』のオープニング映像のように並べて見せてゆく作品だった。基本的にどの作品も映像を見せてゆくだけでこれといった物語はないんだけど、『天演光(てんえんこう)』だけはちょっと違ったかな。


ああ、すんごい広角デジカメ欲しい…。あんなのが撮りたい。特に『光の庭』で海上をジャンボジェット機がスーーッて飛んでくる様や、建物にどんよりと雲が広がってる様はたまんなかったー。



宮崎淳監督の風景シリーズは『光の庭』でひとまず終了らしい。残念。