日航機墜落事故から19年、思い出の『東京裁判』

日航ジャンボ機が群馬県御巣鷹山に墜落してから、今日で丸19年だそうだ。


この夜のことはすごくよく覚えてる。この日、私は父親から『東京裁判』の録画を頼まれていた。父親にとっては待ちに待った放送だったらしく「絶対録り損なうな」と念を押された。だったら自分で録画予約しとけっちゅー話だが、父は忘れて会社に行ってしまったのだ。で、夕方電話を掛けてきた次第。「絶対」という命令だったので、こちらはそわそわですよ。何度も何度もビデオを取り出し、ちゃんと巻き戻っているか確認。試し録画もしてチャンネル合わせもバッチリ。テレビの前で放送開始をいまかいまかと待っていたわけです。ところが夜になると、映画がやるはずだったチャンネルは臨時ニュースに切り替わった。すぐ終わるだろうと思ったのに、一向にその気配がない。画面は慌ただしく、何かすごいことが起こったらしいということは伝わった。しかし私の頭の中は『東京裁判』でいっぱいなわけで、「やるのかやらないのか、どっちなんだよー」と愚痴りつつ、いつ放送が始まってもいいようにテレビの前でスタンバってた。結局その日『東京裁判』が放送されることはなく、後日持ち越しとなった。夜遅くに帰ってきた父に「録画できなかった」と伝えると、「なんで!?」と悲壮な顔で問い返された。「なんか飛行機が墜落したんだって。ニュースに変わっちゃったよ」と言うと、『東京裁判』はどこえやら、父はニュースに釘付けになってた。


そんなこともあって、「日航機墜落事故」と聞くと『東京裁判』を、『東京裁判』と聞くとあの夜のことを思い出す。実は今日、新文芸坐で『東京裁判』が上映された。偶然の一致だが、いろいろとあの夜のことを思い出したです。時間があれば観に行きたかったなあ。