土9『仔犬のワルツ』、最終回は野島伸司が締める!

“企画・野島伸司”で進められた土9『仔犬のワルツ』。これまで別の人間が脚本を書いていたが、最終回になってようやく御大登板! 中心軸を失い破綻しまくった物語を仰天の展開と野島節で無理矢理収束させるその手腕は素晴らしく、「野島伸司ここにあり!」というのを改めて見せつけられた気がした。月9『プライド』なんかに心血そそいでる暇があったら、なんで始めから自分で『仔犬のワルツ』を書かないのかと。これまでの台本はひどかった…。話はめちゃくちゃ*1。定まらないキャラ設定。その場限りで、とにかくこの先どうしたいんだかわからない。大映テレビも真っ青の驚きのシチュエーションだけで毎回引っ張ってきたが、そんな中でも役者陣はよく頑張ったと思う。最終回、炎の中でピアノ弾きまくる岡本健一はオーラ出まくりで神々しいほどに光り輝き、死にゆく父を前にした子供たちの姿に思わず涙腺ゆるむ*2。確かに野島の脚本も破綻している。しかし比べると、これまでの脚本に一番足りなかったのは“台詞”だったことに気づく。破天荒な設定に台詞がいま一歩及ばないから、気持ちよく騙されない。脚本家の独自哲学によって繰り出される詩的文学的台詞の数々、これは必須。いや、これこそが世界の“核”なのだ。木9『愛するために愛されたい』があそこまでウケたのは、ひとえに梅田みかの電波哲学から繰り出される詩的で意味不明な台詞のおかげ。それを恥ずかしがらずに役者が全身全霊で語りあげてくれるところにカタルシスがあるのだ。


野島伸司よ、今度こそ本腰入れてダーク・ファンタジーに取り組んでくれ。野島節がもっとも光り輝くのはこの世界なんだ!


余談。杉浦幸が出るなら保阪尚輝も出して欲しかった*3。もちろん、いまのあのルックスじゃムリだけど・・・


(追記:他のダイアラーさんの感想読んでたら、すっげー台詞書き起こしたい気分になってきた。でも今日はもう遅いので、仔犬のように眠るわ。)


*1:“むちゃくちゃ”なら良い。“めちゃくちゃ”はダメ。

*2:なんでこんなにゆるゆるなのかな。ほんと年取ると涙もろくてダメすぎ。

*3:水8『この子誰の子』つながり。もちろん最上級のダーク・キャラで。