吸血鬼に呪われた菅野美穂(月10『乱歩R』第2話)

脚本は前回よりよくなったけど*1、逆に演出がまずくないかい?*2 なんか大味だなあ。カメラもまったりしてて緊迫感の欠片もないぞ。


・・・と思ったが、加勢大周が化けてから突然よくなった。加勢、いいなあ(嬉)。


菅野美穂はあいかわらず舌っ足らずで滑舌が悪い。もうこれは直らなそうだが、今回は”舞台女優”という設定なだけに、劇中で二番手扱いになってる菊池麻衣子の方が舞台上の芝居が明らかにうまいというのはいかんでしょう。菅野は以前、大竹しのぶと舞台『ヘレン・ケラー』をやったはずなのだが、その経験はあまりいかされてないみたいだ…。


菅野美穂という女優は、トータルで見るとそんなに上手くない。しかし、ここぞという時の瞬発力と、ちょっとした仕草、目つき、表情、声色の生々しさ、リアル感にかけては突出した才能をもっている。彼女がいまだにホラー女優といわれ続ける由縁も、おそらくそこにあるのだろう。NTV『幸福の王子』における「本木雅弘に枕を顔に押しつけられ窒息死させられるシーン」での手の動きなんぞは本当に凄かった。顔は一切映らない。かすかに漏れる声と腕や指の動きだけで、苦しみ息絶えてゆく過程を表現するのだが、特に指の動きが気持ち悪いぐらいにリアルで、顔が映ってるモックンより存在感があった。今回の『乱歩R』は菅野にしては狂気演出が控えめでこちらとしては物足りなかったのだが、そんな中でも「おお!」と思ったのはラストの笑い声。映画『催眠』ばりの高笑いは残念ながら聞くことはできなかったのだが、「アハハハハ」笑いの中に一瞬だけ入る「フフフッ」という低い笑い声、これが非常に怖かった・・・。喩えるなら岩崎宏美『万華鏡』の歌声の中に突如混じる幽霊の声、みたいな感じ(ってわかりづらいか)。


菅ちゃん、また怖い話に出てね。


エンディングのタイトルバックが前回と異なっていた。毎回変えるのかな? 前回のがかなり好きだったので1度しか見られないのは残念。



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*1:脚本家が林誠人に替わったようだ

*2:演出が五木田亮一に替わったようだ