土7『ほんとにあった怖い話』とアニメ『猫目小僧』

いやー、驚いた。素敵すぎ! どこのスタッフだよ、いまどきこんなことしてくれちゃって!?(嬉)
このドラマは夜7時台に放送ということもあり、基本的には怖い話好きの小中学生を対象にしてるんだと思うのだが、そんな彼らにわかりやすく心霊現象を紹介しようと、オムニバスドラマの合間に心霊写真コーナーが設けられている。そこに登場するのが、小学生男女数名によって結成された稲垣吾郎率いる”ほん怖クラブ”。ここ数年、土曜日夜8時からTBSで放映していたTOKIO国分&嵐による小中学生向け心霊&超常現象番組が、怪奇ものから人体の不思議ものに番組内容をチェンジしたため、これ幸いとフジが心霊ものをこの枠にぶつけてきた形になる(昔は木曜の8時*1だったんだけど、いまは『奇跡体験!アンビリーバボー』があるからね)。


で、何が驚いたって、ほん怖クラブのコーナーのオープニング映像である。知ってる人はなかなかいないと思うのだが、その昔東京12チャンネルで楳図かずおの漫画『猫目小僧』をアニメ化したことがあって(数年前に人からビデオを借りて見た)、タイトルは『妖怪伝 猫目小僧』というのだが、これが普通のアニメとはちょっと違う手法で作られている。セル画ではなく切り絵を主体とした紙芝居と紙人形劇が合体したような「ゲキメーション」と呼ばれるスタイルなのだが、ほん怖クラブのオープニングで使われてる手法が、まさにその「ゲキメーション」なのである(現在は「ペーパーマペット」と呼ばれているみたい)。いやー、誰がこれで行こうと決めたのか知らないが、あんたも好きね〜。激励のメールを送りつけたくなるような個人的趣味丸出しのお仕事に感謝感激です。ありがとう(涙)。



というわけで、心に留めて置くべく、制作者の名前を列記。

【ペーパーマペット】担当スタッフ
演出:井上晃一 撮影:水口智之 照明:豊見山明長 VE:花澤和彦 
原画デザイン:中川理仁 操演:小林正己 
背景/キャラクター制作:伊藤ゲン/市川綾/柏木美由紀/佐藤泰子/平山美代子/松本知恵/谷内邦恵


ドラマ目当てで見たのに、まさかこんなビッグなおまけがついてこようとは・・・長生きはするもんだなあ(いや、まだ若いんだけど)。でも、そうかあ、「ゲキメーション」はもう死語なのか。「ダイナメーション」も死語だしな。


そういえば美術デザインに丸尾知行の名が。丸尾さん、『ドラゴンヘッド』『渋谷怪談』の次はこれですか。


ドラマの演出は全て鶴田法男が担当していたのだが、今後もそうなのかな?



追記(2022.11.20)

アニメ「猫目小僧」の番組内容を紹介していたリンク先が閉鎖したため、新たにWikipediaYoutube(第1話・最終回)を追加しておきます。
妖怪伝 猫目小僧 - Wikipedia

第1話「子育て仁王」

最終回・第24話「涙の再会」


また、ほん怖以外にも、ゲキメーションの手法を継承した作家が現れたのでご紹介しておきます。2013年に自主映画『燃える仏像人間』がカルトヒットした宇治茶監督。最近ではテレビ朝日系列の深夜ドラマ『妖怪シェアハウス』(豊島圭介監督)で妖怪アニメーションを担当。


*1:MMR』『木曜の怪談』など